服部×首藤プロジェクト「HS06」 ストーリー

一幕「Home Science」
ロボット工場の実験室。そこではロボットたちの優劣が選別される。上から吊り降ろされたロボットたちは次々と試運転されるが、そのうちの一体が不規則に動き始める。部品不良か、ウイルス感染か。統制された空気を乱すように動くそのロボットによって生まれる波紋と不協和音。秩序を失ったロボットたちはそれぞれ奔放に動き回り、やがて壊れたロボットはスタッフの手により撤去されるが、ブザーが鳴り、また引き続き実験は行われる。
首藤康之をゲストとして迎えた、服部有吉の抽象的でコンテンポラリーな期待の新作。与えられた使命を遂行するためだけに生産され、評価を下されるロボットは人間社会のメタファーであり、ダンサーたちは感情を殺し、動きのみによってその無機質な世界を表現する。


二幕「ゴーシュ」
ダンサーのゴーシュはいつも自分勝手に踊って、仲間に迷惑をかけてばかり。今日のリハーサルも上手くいかず、みんなは怒って帰ってしまう。落ち込んで、とぼとぼと帰途につくゴーシュ。家に着くと早速、練習を始めるが、そこに訪問者が現れる。高飛車で見栄っ張りな猫、自意識過剰でアーティスト気取りの鳥、おおらかで楽しいもの好きなたぬき、遠慮がちで謙虚なねずみ――個性的な動物たちに励まされ、勇気づけられ、ゴーシュは立派なダンサーとして成長していく。
宮沢賢治によるおとぎ話「セロ弾きのゴーシュ」をベースとした、子供から大人まで楽しめる愉快でコミカルな作品。それぞれの動物のかわいらしく特徴的な動き、ゴーシュが次第に自信を見い出し輝いていく様子が生き生きと描かれる。



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