ソール・ライターの原点 ニューヨークの色

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    ソール・ライター《無題》撮影年不詳 ©Saul Leiter Foundation

    “写真は物の見方を教えてくれる、すべてのものが美しいということも。”

    ソール・ライター

    Bunkamuraザ・ミュージアムで過去2回にわたって開催されたソール・ライターの展覧会は、“ソール・ライター風の写真”という言葉が市民権を獲得するほど、それまで日本ではほぼ無名だった写真家の名前を一気に知らしめ、大きな反響を呼び起こしました。

    2023 年4月からのBunkamura 休館(オーチャードホールを除く)に伴い、Bunkamuraザ・ミュージアムは、ソール・ライター生誕100年を記念し、ヒカリエホールにて本展を開催します。

    50代でキャリアの表舞台から姿を消し、富にも名声にも関心を示さず、淡々と自らの美意識に忠実に生きていたソール・ライターが80代になった2006年、世界中の写真ファンを魅了し続けるドイツのシュタイデル社から刊行された初の写真集『Early Color』によって、再び脚光を浴びることになります。

    2013年、ソール・ライターがこの世を去った時点で、未整理の作品はカラースライドだけでも数万点にのぼり、翌年に創設されたソール・ライター財団によって、アーカイブのデータベース化が着手され始めました。没後にも関わらず、ソール・ライターは常に新たな発見が続く“発展途上”の作家でもあります。

    本展では、新たに発掘された作品による大規模なカラースライド・プロジェクション、未公開のモノクロ写真、絵画など最新作品群を含む400点以上の作品を通して、これまで紹介していなかった知られざるソール・ライターの素顔と、「カラー写真のパイオニア」と称され世界中を驚かせ続ける色彩感覚の源泉に迫ります。

    ソール・ライター《無題》撮影年不詳 ©Saul Leiter Foundation

    ソール・ライター《無題》撮影年不詳 ©Saul Leiter Foundation

    Highlights展覧会の見どころ

    • 1

      1950~60年代頃、黄金期ニューヨークを写し撮った
      未公開スナップ写真を多数展示

    • 2

      知られざるソール・ライターの素顔 ニューヨークで交流した
      後の巨匠アーティストたちのポートレートを紹介

    • 3

      唯一無二のセンスあふれる
      1950~60年代の『ハーパーズ・バザー』での
      ファッション写真を一挙公開

    • 4

      カラー写真約250点を10面の大スクリーンに投影する迫力の展示空間
      大規模プロジェクションで体感する
      ソール・ライターの色彩の世界

    ソール・ライター《無題》撮影年不詳 ©Saul Leiter Foundation

    《ライトボックスを見るソール・ライター》2013年© Margit Erb

    NEWSソール・ライター

    1923年12月3日、ペンシルバニア州ピッツバーグに生まれる。父親はユダヤ教の聖職者。1946年、画家を志し、神学校を中退してニューヨークへ移住。1958年、『ハーパーズ・バザー』誌でカメラマンとして仕事を始める。その後、80年代にかけて多くの雑誌でファッション写真を撮影。1981年、ニューヨーク5番街にあった商業写真用の自分のスタジオを閉鎖。1993年、カラー写真制作のためイルフォードから資金提供を受けたことにより、カラー写真のプリントが初めて可能となる。2006年、ドイツの出版社シュタイデルが初の写真集『Early Color』出版。2012年、トーマス・リーチ監督によるドキュメンタリー映画「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」製作。2013年11月26日、ニューヨークにて死去。享年89歳。2014年、ソール・ライターの作品を管理する目的でソール・ライター財団創設。

    《ライトボックスを見るソール・ライター》2013年 © Margit Erb