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2023.04.01 UP
\作家紹介/デザイナー「ポール・ポワレ」
本展に登場するデザイナーなど、ローランサンが活躍した同時代のアーティストをご紹介します。
今回ご紹介するのは、ファッション界の帝王、ポール・ポワレ。
ここに注目!
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◆ファッション界の帝王、ポール・ポワレ
◆コルセットのない斬新なスタイルを提案
◆20世紀パリモードにはジャポニスムが影響
◆ポール・ポワレの妹、ニコル・ポワレとローランサンは大親友
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<ポール・ポワレ>[1879-1944年]
コルセットを外し、身体を締め付けない、女性の自由なファッションスタイルを提案したとされている、ファッション界の帝王、ポール・ポワレ。
20世紀初頭、芸術様式アール・ヌーヴォーが花開き、女性の服装も曲線美を強調するS字カーブのスタイルが人気となります。
ポール・ポワレはこの時期パリに登場し、その創造性によって「モードのスルタン(王様)」と呼ばれたデザイナーです。
1910年代にポワレは古代ギリシャの歴史衣裳や、中近東、日本、中国などの民族衣裳に関心をもって研究し、オリエンタリズム(東洋趣味)を取り入れたファッションを発表しました。また明るい色彩やエキゾチックな柄のテキスタイルを取り入れるなど、ドレスから過剰な装飾を取り払い、軽やかなスタイルに仕上げています。
過剰な装飾やコルセットを嫌い、豊かな色彩やエキゾチックな模様のテキスタイルを使ったポワレのスタイルは、女性を優雅でよりナチュラルなシルエットにするもので、今見てもモダン(=新しさ)が感じられます。彼は作品を美しいポショワール画として出版して自身のスタイルを伝え、香水事業やインテリア事業に進出するなど、ビジネス感覚にも富んでいました。しかし、その活躍は第一次世界大戦(1914-1918年)を境に衰えていき、台頭してきたシャネルら新世代に王座を譲ることになります。
(当時のファッションを表現したイラスト画)
日本の着物に見られるような、布を身にまとうという民族衣裳の発想が、20世紀パリモードの出発点に大きな影響を与えたと言われています。
写真は、ポール・ポワレがデザインした、約100年前の「ドライブ用コート」。今着ても違和感のないすっきりとしたデザインです。
ポール・ポワレ他、当時のファッションを表現したイラスト画や、ガブリエル・シャネル 《デイ・ドレス》 など、モダンガールの装いが分かる作品を本展「第3章 モダンガールの変遷」で多数展示しています。
画像1枚目:《ドライブ用コート》1910年頃、アイボリー色の絹シャンタン、島根県立石見美術館
画像2枚目左:ジョルジュ・バルビエ《パキャンのデイ・ドレス『ガゼット・デュ・ボン・トン』誌第8号(1913年6月)掲載》1913年、ポショワール・紙、島根県立石見美術館
画像2枚目右:ジョルジュ・バルビエ《パキャンの田園のドレス『ガゼット・デュ・ボン・トン』誌第9号(1913年7月)掲載》1913年、ポショワール・紙、島根県立石見美術館