平間至展 写真のうた

COMMENTARY

章解説

SONGS1
原点

いったい写真で
何ができるか?

宮城県塩竈市にある写真館の三代目として生まれ育った平間至。家業を継ぐことから背を向け東京でフリーの写真家に。その名を一躍知らしめたのが、1995年に刊行された写真集『MOTOR DRIVE』でした。 そこに至るまでの若き日、大学時代に制作した課題作品、卒業後のNY滞在時に撮影したストリート写真など初公開となる作品の他、平間至の原点を形作ったカメラワークとともに、写真家としてのスタートラインを目撃します。

平間至 《ニューヨーク》 1987年 ©Itaru Hirama

平間至 《光と影》 大学課題 1984年 ©Itaru Hirama

SONGS2
仕事

写真で音楽を
鳴らしたい

平間至 《サンボマスター》 CD「サンボマスターは君に語りかける」 2005年 ©Itaru Hirama

平間至 《Yellow Magic Orchestra》「NO MUSIC, NO LIFE.」2012年7月-9月 ©Itaru Hirama

タワーレコードのキャンペーン「NO MUSIC, NO LIFE.」をはじめ、雑誌やCDジャケットなどのために撮影された、本展の核となる音楽の仕事をご紹介します。「現場で事件を起こす」をモットーに、 楽器のようにカメラを構え、シャッター音、ストロボの光、チャージ音で現場をグルーヴさせる平間ならではの「音楽が聴こえる」作品群を、圧巻のボリューム感でご覧いただきます。

平間至 《忌野清志郎》「NO MUSIC, NO LIFE.」2008年6月-7月 ©Itaru Hirama

平間至 《岸田繁》「NO MUSIC, NO LIFE.」2017年4月-6月 ©Itaru Hirama

平間至 《峯田和伸(銀杏BOYZ)》 『別冊 風とロック』2006年 ©Itaru Hirama

平間至 《あいみょん》「NO MUSIC, NO LIFE.」2020年8月-10月 ©Itaru Hirama

平間至 《東京スカパラダイスオーケストラ》「NO MUSIC, NO LIFE.」2019年10月-12月 ©Itaru Hirama

平間至 《勝手にしやがれ&オダギリジョー》「NO MUSIC, NO LIFE.」2006年10月 ©Itaru Hirama

平間至 《ゆず》「NO MUSIC, NO LIFE.」2017年4月-6月 ©Itaru Hirama

SONGS1
バックステージ

すべては美しさの
ために

ポスターやCDジャケットとして世に出る作品の舞台裏には、膨大な数のショットが存在します。 セレクトカットの前後が分かるコンタクトシートや、平間が綴ったアイデアノート、一緒に仕事をしてきた雑誌の編集長やプロデューサーの言葉などから、平間の創作の裏側が垣間見えてきます。

平間至「NO MUSIC, NO LIFE.」撮影時のコンタクトシート2008年 ©Itaru Hirama

平間至 『ROCKIN’ON JAPAN 1992年5月号』 表紙 ©Itaru Hirama

平間至『CUT 1997年1月号』撮影時のメイキング写真 1996年 ©Itaru Hirama

《Men’s BIGI》Advertising撮影時のコンタクトシート1992年 ©Itaru Hirama

SONGS1
原点

見えないものの
象徴としての写真

平間至 《宮城県七ヶ浜》 2007年 ©Itaru Hirama

学生時代に初めて観た田中泯の舞台の衝撃から約20年後、平間はある映画の撮影現場で田中泯と再会。踊りによって「場」と共鳴し見るものを巻き込んでいく圧倒的な肉体表現に魅せられます。 田中泯と平間至、2つの楽器が響きあうように生まれた作品〈場踊り〉。その場に固有の踊りを即興で表すダンサーの姿は静謐ながら、震える魂の叫びが聞こえてくるかのようです。

平間至 《高知県梼原》 2010年 ©Itaru Hirama

SONGS1
バックステージ

未来に向けて美しい
記憶を残していく

1926年に祖父が創業した塩竈の「ひらま写真館」。2011年の東日本大震災を契機に、三代目となる平間至は、2015年、東京・三宿に平間写真館TOKYOを開業します。 誰もが手軽に写真を撮れるようになった現在、それぞれにとっての「記憶の集積所」として、平間写真館でしか提供できない写真の価値を伝える場として、それぞれのハレの日の瞬間を記録し続けています。

平間至 2021年 ©Itaru Hirama

平間至 2023年 ©Itaru Hirama

平間至 2023年 ©Itaru Hirama

平間至 2022年 ©Itaru Hirama