2022.08.07 UP
【かこさとし絵本トリビア】 その① 『かわ』
川の一生が絵巻物のように描かれた絵本『かわ』。山の雪解け水や雨から生まれた川が、山から街へ、そして海へと流れる様が鳥瞰した構図で捉えられ、人々の暮らしや自然との関わりが細かく描き込まれています。
さて、本展では『かわ』のP20-21の複製画を展示していますが、右側に描かれているライトグリーンの電車にお気づきでしょうか?
こちらはどうやら‟青ガエル“と呼ばれて親しまれた東急5000系(初代)のようにも見えます。
となると、中央に流れる川は多摩川でしょうか。
東急沿線を思わせるこの風景は、もしかすると皆さんのお住まいの近くかもしれませんね。
この作品は、1962年に月刊「こどものとも」として刊行されたものですので、それから60年経った今では雰囲気も随分変わってしまっているかもしれませんが、ぜひ会場で色々と想像を張りめぐらしながらご覧ください。
『かわ』会場展示風景
東急目蒲線 奥沢~田園調布間
撮影:阿部龍浩
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『かわ』 1962年 福音館書店
「必読図書」全国学校図書館協議会選定
厚生省中央児童福祉審議会の特別推薦
サンケイ児童出版文化賞大賞作品
「基本図書」全国学校図書館協議会選定