イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき

Specialスペシャル

エルベ・シャトラン
スペシャルディスプレイ

展覧会限定アイテム、アアルト ベース「クリア1937」のエルベ・シャトランによるスペシャルディスプレイのアレンジポイントをご紹介!
エルベ・シャトランの大きな特徴となるのが、Bijoux【ビジュー】と名付けれられた、花、花器、水が一体となり生まれるハーモニーの美しさを堪能できるアレンジです。
「イッタラ展」の開幕を記念して、アアルト ベースの特徴を生かしたアレンジでフラワーディスプレイを制作。現在は、Bunkamura1F インフォメーションにてディスプレイ中です。(期間限定となります。)

vol.1

(撮影:山本倫子)

イッタラが誕生したフィンランドは自然豊かな国。今回のアレンジでは、アアルト ベースを水辺に見立て、豊かな自然の姿を表現しました。オレンジ色の実のコニカルは今の時期ならではの実物で、はかなげに揺れるコスモスとともに、秋の訪れを感じさせます。

透明なガラスの器を生かし、水の中を花や実で飾るのもエルベ・シャトランならではのアレンジです。今回は野ばらの実を水中花としました。アアルト ベースの色がほんのりと映った水の色とともにお楽しみください。

【使用花材】
コスモス、てまり草、コニカル(オレンジ色の実)、野ばらの実、アジサイ

vol.2

日差しが強い日も空気はすっかり秋です。今回のアレンジのポイントはフューシャピンクのカラー。同系色のネリネを合わせ、大人な色味でコーディネイトしました。

スッキリとした印象のカラーと小さなユリのような花をつけるネリネに、少しまるみのある葉のグリーンをまとわせ、揺れるような曲線の中をすっとラインが伸びるようなスタイルに仕上げています。
アアルト ベースは、そのデザインの美しさからそのまま飾るだけでもとても素敵なのですが、「スペシャルディスプレイ vol.1」のふんわりした雰囲気のお花にも、今回のスタイリッシュな雰囲気のお花にもよく合います。
カラーやネリネは浅い水量が適しているのでベースの水も控えめで構いません。比較的長持ちするお花ですので、長くお楽しみいただけます。
(今回の水には少量のコロラン(カラーインク)で、ベースの色と同じ色を付けています。)

【使用花材】
カラー、ネリネ、コロニラバリエガータ(グリーン)
ネリネはヒガンバナ科のお花で、花言葉は「また会う日を楽しみに」だそうですよ。

vol.3

日本で最も人気の結婚式のシーズンは秋だそうです。今年は雨が多く、気温も変わりやすい日が多いですが、秋といえば、暑すぎず寒すぎず、過ごしやすい季節ですよね。

今回はブライダルをイメージしたフラワーアレンジをご紹介します。「スペシャルディスプレイ vol.2」のシックな色味から一転、純白の世界をお楽しみください。
アジサイとカスミソウの組み合わせはウェディングブーケなどでも人気です。淡い色をアクセントにすることもありますが、今回はシンプルに白のアジサイとカスミソウのみで小さなブーケを作り、ベースに活けました。水中花にも同じアジサイを使用しています。丸く咲いたアジサイに合わせたカスミソウの小さな花が、まるでシャンパンの泡のよう。華やかなウェディングパーティに心躍らせる様子を表現しました。
アアルトベースはその特徴的な形から、向きを変えるだけで違った雰囲気が演出できます。少しずつベースの向きを変えてお花の表情を楽しんでみてはいかがでしょうか。
アジサイは梅雨に咲く印象がありますが、品種改良が進んだことや輸送技術の発達により輸入物を含めて1年を通して様々な品種が楽しめます。水揚げの際は、茎を斜めにカットしたあと、茎の中の白いワタを取り出してからたっぷりの水につけてください。十分に水揚げをした後は浅水でも問題ありませんので、今回のようなベースにも飾っていただけます。

【使用花材】
アジサイ(白)、カスミソウ

vol.4

ファレノプシスは、日本では咲いている花の形がまるで蝶のように見えることから“胡蝶蘭”と呼ばれています。「幸せが飛んでくる」という縁起の良い花言葉を持つこともあり、お祝いに贈る花としても有名ですね。
今回は、小ぶりの胡蝶蘭=ミディファレノプシスを使ったフラワーアレンジをご紹介します。通常の胡蝶蘭と比べるとコンパクトですが、高貴な存在感は十分。比較的持ちがいいので長く楽しめるのも嬉しいポイントです。

胡蝶蘭と言えば白のイメージが強いかもしれませんが、今回は薄いベージュピンクのような、少し変わった色味のものを選びました。ぜひお近くで花びらの繊細な色や模様もご覧ください。湖の上をひらひらと蝶たちが舞うようなイメージでアレンジしています。
アアルトベースは口が広いため、たくさんの花を一度に入れることができますし、少ない本数や少し重さがあるようなお花でも、ベースのくびれた部分に掛けるようにして活けることができます。自由に活けることができるアアルトベースを使って、今回はさらに「花留め」の手法もご紹介。ゼリーを使ったり、葉をまるめて筒状にし、ベースのくぼみに合わせたりすることで、花を立てた状態で飾ることができます。クラッシュしたゼリーは水泡のようにも見え、葉の緑は深い湖の色のよう…アアルトベースのガラスの特性を生かしたアレンジで、様々な花の表情をお楽しみください。
ミディファレノプシスには様々な種類がありますので、お好きな色や模様のものを見つけてみてはいかがでしょうか? 茎が短くなった花の部分だけをベースに浮かべるのも素敵ですよ。

【使用花材】
ミディファレノプシス(ミディ胡蝶蘭)、カーネーション、ドラセナ

vol.5

秋色アジサイは、秋に出回る少し渋い色が入ったアジサイのこと。梅雨の時期に咲くアジサイを切らずにそのままにしておくと段々色が変化していき、秋ごろにはくすんだシックな色になります。色の変化は品種によって異なりますが、様々な色の秋色アジサイがありますので、ぜひ花屋さんでチェックしてみてください。

今回はそんな秋色アジサイからピンク色が鮮やかなものを選び、贅沢に水中花としました。前回ご紹介した「花留め」としてベースにたっぷりと入れたアジサイを使用しています。オーニソガラムの特徴的な茎を生かし、すっと上に伸びるようなイメージでアレンジしました。どこかにょろにょろとした雰囲気…あるフィンランドのキャラクターを連想しませんか?
ベースにアジサイを入れ込んだり、水にピンクの色をつけたりすることで、アアルトベースの特徴的な形が更に際立ちます。「スペシャルディスプレイ vol.4」のアレンジで花留めとして使用したゼリーや丸めた葉とは違った雰囲気をお楽しみください。
5回に渡って、アアルト ベース「クリア1937」を使ったフラワーアレンジをご紹介しましたが、いかがでしたか?一度にたくさんの花でも、少ない花でも、楽しみ方は無限大のアアルト ベース。器だけを飾るのもとても素敵ですが、ぜひ季節の花を飾って楽しんでみてください!

【使用花材】
秋色アジサイ、オーニソガラム “サンデルシー”、スプレーバラ “オリエンタルエクレール”