章解説
第1章初期作品
ボテロは20歳であった1952年、コロンビア国内の展覧会で受賞した賞金でヨーロッパに渡り、そこで3年間学びます。特にイタリアでは、クワトロチェント(1400年代)の名画、そしてバーナード・ベレンソンやロベルト・ロンギといった当時の偉大な理論家たちの著述との出会いを通じ、自らの絵画の理論的基盤を形成し、発展させました。ボテロのボリュームへの関心は17歳の時の作品《泣く女》(1949年)にすでに見出せますが、イタリアでの修行はそれを自覚的で継続的なものとしたといえるでしょう。

1949年 水彩/紙 56x43cm
