Storyストーリー
幻想、復讐、野心、そして傷ついた若い魂
過酷な運命への美しき疾走————
デンマークの王子ハムレットの父王が急死。その2ヶ月足らずの後に、新国王となった王の弟クローディアスとハムレットの母・王妃ガートルードが再婚した。
父の死と早過ぎる再婚により憂いに沈むハムレットのもとへ、腹心の友・ホレイシオが父王にそっくりの亡霊が、城壁の上に現れたと知らせにくる。真相を確かめるべく出かけたハムレットの前に現れた亡霊が「私はクローディアスに毒殺された」と告げる。クローディアスへの復讐を誓ったハムレットは、周囲の目を欺くため狂気を装う。その突然の変貌ぶりに憂慮するクローディアスとガートルードに、顧問官ポローニアスは、その原因を娘オフィーリアに対する恋煩いだと言う。狂気の真相を探ろうと、一同は偶然を装い二人を出会わせるが、ハムレットは心配するオフィーリアを冷たく突き放すのだった。やがて、ハムレットが亡霊の言葉が真実であったと確信を得たその夜。ガートルードの寝室に呼ばれるが、母と口論になり、物陰で身を潜めていたポローニアスを刺殺してしまう──。この事態に身の危険を感じたクローディアスはハムレットをイングランドへ送り出す。悲しみのあまりオフィーリアは狂乱し、復讐に燃える兄・レアーティーズは父の仇を討つことを誓う。
その頃、討たれた父の土地を奪還する為、ノルウェーの王子・フォーティンブラスの軍隊がポーランドへ侵攻しようとしていた。
プロフィール
ロンドンを拠点に活動する演出家。現在はロイヤル・ナショナル・シアターのアソシエイトディレクターを務め、同劇場での『Antony & Cleopatra』が今秋開幕したばかり。主演のレイフ・ファインズの人間味と色香に溢れる熱演とともに、その演出が高く評価されている。ドミニク・ドログムール、ティム・サプルなどのアシスタントとして研鑽を積んだ後、劇団Straydogsを創設。『Eurydice』はBACでの上演の後、ウェストエンドに進出。ウェストエンドでの上演における、最年少カンパニーの記録をつくった。その後、ロイヤル・コート・シアター、ダーンゲート・シアターのアソシエイトディレクターを務め、『The Seagull』『Habeas Corpus』『Relatively Speaking』『Quartermaine’s Term』などを手がける。2009年アルメイダ・シアターで演出した『All The Little Things We Crushes』またそれに続く『The Winter’s Tale』も劇評家達からの賞賛を浴びる。その後、ブリストル・オールド・ヴィックのアソシエイトディレクターとして、キャリル・チャーチルの『Far Away』、ブライアン・フリールの『Faith Healer』など数々の話題作を演出。2010年、ロイヤル・コート・シアターで演出したニック・ペインの新作『Wanderlust』は、Evening Standard Awards にノミネートされた。RSC『Hamlet』、ロイヤル・ナショナル・シアター『Man and Superman』『Twelfth Night』の演出も評価が高い。12月には『Timon of Athens』(主演:キャサリン・ハンター)がストラッドフォード・アポン・エイヴォンにて開幕、また、2019年8月からはロイヤル・ナショナル・シアターを離れ、ワシントンD.C.に拠点を移し、The Shakespeare Theatre Company の芸術監督を務めるなど、英国のみならず、今最も注目される演出家の1人である。
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