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作家のネルソン・ロドリゲス(Nelson Rodrigues/1912-80)はブラジルの北東ペルナンブコ、レシフェ生まれ。近代主義劇作家として活躍すると同時に、小説家、批評家、ジャーナリストとしても活動した多彩な演劇人だ。2012年には生誕100周年を祝う演劇祭が開かれるなど、本国で偉大な演劇人としてその名を刻んでいる。一方、演出の三浦大輔は1975年生まれの30代。早稲田大学在学中に演劇ユニット「ポツドール」を結成して以来、全本公演の脚本・演出を務め、06年には"性欲"について滑稽かつ切なく描いた『愛の渦』で第50回岸田國士戯曲賞を受賞した。ドイツや北米などの海外公演、劇団外でも作品の提供や演出を手掛けており、国内外で注目を集めている。近年は「ボーイズ・オン・ザ・ラン」や「愛の渦」など映画監督としても、今後の動向が注目される若手の一人。今作は、この才能あふれる二人の異才ぶりを堪能できる贅沢な舞台といえそうだ。

作:ネルソン・ロドリゲス Rodrigues, Nelson Falção
(1912年8月23日-1980年12月21日)

ブラジルの北東ペルナンブコ、レシフェ生まれ。小説家、ジャーナリスト、近代主義劇作家。
1943年に、戯曲『Vestido de Noiva(The Wedding Dress)』をBrazilian theaterで上演。
その登場人物の複雑な心理を描き、口語体のダイアローグを使用し、ブラジル演劇の新しい時代を切り拓いたとして革新的な評価を得る。以降も多くの影響力のある戯曲を書き続け、今日のブラジル近代演劇において先駆者であり、もっとも偉大な劇作家のひとりとされている。

演出:三浦大輔(みうら・だいすけ)

脚本家、演出家、映画監督、演劇ユニット「ポツドール」主宰。1975年12月12日生まれ、北海道出身。
96年、早稲田大学演劇倶楽部10期生を中心に演劇ユニット「ポツドール」を結成。
以降、全本公演の脚本・演出を務める。2006年、『愛の渦』(05年初演)で第50回岸田國士戯曲賞を受賞。
10年、THEATER DER WELT2010(ドイツ)に招聘され、初の海外公演として『夢の城-Castle of Drems-』を上演。翌年に欧州北米ツアーを敢行、12年には東京・京都でも上演、国内外で注目を集めた。著書に『人間❤失格 三浦大輔・戯曲集』、雑誌『週刊SPA!』でコラム「バリバリ雑言」を連載中。劇団公演以外の作品に、パルコ・プロデュース『裏切りの街』(10年/作・演出)をはじめ、『ザ・シェイプ・オブ・シングス~モノノカタチ~』(11/演出、ニールラビュート作)、『ストリッパー物語』(13年/つかこうへい作、構成・演出)、アル☆カンパニー『失望のむこうがわ』(14年/作・演出)など。監督作に映画『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(10年/脚本)、『愛の渦』(14年/原作・脚本)など。