CAST

エルクラーノ=内野聖陽

男やもめ、妻を乳がんで亡くし、心の傷を癒しきれずにいる。
カトリック教信者 で、物事を大袈裟にとらえてしまう。

ジェニー=寺島しのぶ

衝動と肉体的基準で行動する、ピュアな売春婦。
乳がんに対して、この病気そのものへの恐怖、そして妄想・執着を持ち続けている。

パトリーシオ=池内博之

エルクラーノの弟で、兄を憎んでいる。結婚はしておらず、家族については冷笑的な目で見ている。

セルジーニョ=野村周平

エルクラーノの息子。
母親の死を受け入れておらず、お墓に通って話しかけ母親がいつもそばにいると思っている。
過保護な三人のおばたちに世話されている。

おば=宍戸美和公

エルクラーノと共に住む、三人の独身のおばたち。

おば=池谷のぶえ

エルクラーノと共に住む、三人の独身のおばたち。

おば=木野花

エルクラーノと共に住む、三人の独身のおばたち。

STORY

帰宅したエルクラーノは、ジェニーが残したカセットテープを聞き始める。
その告白から物語は遡っていく…。

エルクラーノは妻の死後、息子であるセルジーニョと彼を溺愛する3人のおばたちと共に暮らしていた。おばたちはエルクラーノが妻の死を乗り越えられていないことを心配し、彼の弟であるパトリーシオに神父に相談するように勧めるが、彼は神父さまのところへは行かず、馴染みの娼婦、ジェニーのところへ行き、エルクラーノと関係を持つよう持ちかけ、彼女の裸の写真を持って帰る。
弟の言うことに憤怒するエルクラーノだったが、写真を見て心を乱し、泥酔状態でジェニーを訪ね、そこで3日間ともに過ごしてしまうが、彼に心を奪われたジェニーを振り払って、自分の日常へと帰ろうとする。
その後、エルクラーノはジェニーにだんだんと想いを寄せるが、彼女が売春婦であることや、妻の死後に息子のセルジーニョに「二度と女性と関係を持たない」と約束したことで、もう一歩を踏み出すことができない。
パトリーシオはエルクラーノへの憎悪から、ジェニーに「私ともう一度関係を持ちたいのなら結婚して」と言うようにと助言するが―。
母親の死によって歪んだ父子関係、売春婦と結婚するための嘘と計画 、そして家族を襲う悲劇とは―。