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ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ

監督コメント&プロフィール

監督・製作・編集:ベス・カーグマン

私は子供時代ひたすら踊ってました。14歳で早くもバレエを"引退"してしまいましたが、バレエに対する愛はずっと持ち続けていました。
14年後、ジャーナリズムの仕事に一息ついて最初の映画を撮ろうと思った時に、昔からずっと願いを持ち続けていたものを撮ることを決心しました。

そしてチャンスがやってきました。ある日、ロウアー・マンハッタンを歩いていた時、多数の子供のバレエダンサーたちが、毎年春に行われるユース・アメリカ・グランプリの決勝戦に参加するために入場を待っていたのを目にしたのです。
チケットは完売だったのですが、私は何とか会場に紛れ込んで後方で見ることができました。ステージには11歳の小さくて可愛い女の子が現れ、2分間のパフォーマンスを披露したのです。
その芸術的で、優雅で力強い演技に圧倒された私は劇場を出たときに、「これが私の映画だわ!」と確信したのです。

その後に待っていたものは、スリリング(けれど時々疲労困憊する)な資金集めと撮影、そして1年間に及ぶ編集作業でした。
私はこの映画で、バレエの持つステレオタイプなイメージを打ち消したかったのです。
痩せているバレリーナはごく少食だとか、男性のバレエダンサーはゲイが多いとか、ステージママはイカレているとか・・・などなどです。
さらに私が見せたかったのは、バレエのコンクールや受賞というものが、有名バレエ団への奨学金制度などで"ダンサー"という職業への道を開くものであること、しかしその氷山の一角への道は大変なプレッシャ―を伴うものであること、そしてバレエのトレーニングは物凄くお金がかかること、また怪我でその道が断たれてしまうこともあること・・・でした。

でも私が最も大切に思い訴えたかったのは、ダンサーたちの成功に向けての情熱とその練習量、やり遂げたいと信じる心の気高さは、他のプロスポーツ選手たちと変わらず強いものであるということです。
私はこの映画を撮影する過程で出会った、カメラの前後にいた才能あるダンサーたちに心からの感謝とエールを送ります。
そのダンサーたちは、私が長年願い続けたこの映画を作るために彼らのすべてを与えてくれたのです。

プロフィール

カーグマンは時事、社会、政治に関する独自な視点のストーリーを随時ナショナル・パブリック・ラジオやワシントン・ポスト、NBCオリンピックなどのメディアにおいて提供してきた。コロンビア大学ジャーナリズム大学院とアムハーストカレッジの学位を持つ。子供時代はボストン・バレエ・スクールに通うバレエ少女だった。『ファースト・ポジション』はカーグマンの最初の長編ドキュメンタリー映画で、トロント国際映画祭でプレミア上映され、観客賞を獲得した。普段はNYとLAを往復する生活をしている。

© First Position Films 2011