「ミレー3大名画展 〜ヨーロッパ自然主義の画家たち〜」



オルセー美術館は、ルーヴル美術館、ポンピドー・センター国立近代美術館とならびフランスを代表する3大美術館のひとつです。1986年12月に開館した比較的新しい美術館で、印象派をはじめとする絵画や彫刻、装飾、工芸など、近代文化の産物を数多く展示しています。

1977年、ジョルジュ・ポンピドー国立芸術文化センターの設立にともない、パリの国立美術館所蔵の近代美術品が再編成されました。その結果、ポンピドー・センター国立近代美術館にフォーヴィズム以降の20世紀美術が収蔵され、ルーヴル美術館に古代からの美術品が収蔵されることになりました。そして、この2つの美術館のコレクションの間にあたる19世紀後半期の美術を収蔵する、新たな美術館を新設することになりました。このために旧オルセー駅を改造して作られたのが、オルセー美術館です。

現在オルセー美術館が建っている場所は、オルセー宮(1835〜1871年)がありました。会計監査院と国務省として使われていましたが、1871年5月、パリ・コミューン崩壊のときに焼き討ちにあって廃墟となり、そのまま30年ちかく放置されていました。その後1900年のパリ万国博覧会のためオーステルリッツから中心街へ鉄道を延長することになり、廃墟のあとに、ホテル を併設したオルセー駅が建てられました。この駅舎はパリの隆盛を示すひとつのシンボルとなりました。しかしその後、鉄道の電化が急速に進み、列車の編成も長くなりサイズが合わなくなったために、駅は1939年に廃止されました。そのあとも、360の客室と豪華なサロンをもつホテルは営業を続けていましたが、1961年、フランス国鉄は旧オルセー駅を売りに出しました。
1971年、この建物が国の歴史的記念建築物に指定され、美術館として利用する計画が採用されました。こうして19世紀の面影を残した優美な美術館が誕生したのです。建物のセーヌ河を向いた面は石や彫刻でおおわれていますが、建物自体は1900年当時の先端思想を体現し、鉄とガラスをふんだんに使っています。

オルセー美術館のコレクションは、原則的にはフランス二月革命の1848年から第一次世界大戦の始まる1914年まで(厳密には前後の作品も含まれる)とされ、結果的に世界屈指の印象派美術館となっています。
オルセー美術館は現在、ルーヴル美術館と人気を二分するといわれるほど世界中の人々に親しまれています。作品は作家別ではなく時代ごとに集められ、独自の陳列方法によって美術史の変遷を実感できる構成になっています。館内でコンサートや講演会も行われます。



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