オットー・ネーベル展 シャガール、カンディンスキー、クレーの時代オットー・ネーベル展 シャガール、カンディンスキー、クレーの時代

ABOUT
展覧会

1892-1920's BERLIN

出発点―故郷ベルリンで画家を志して

ベルリンに生まれ育ったオットー・ネーベル(1892-1973年)は、初め建築を専門に学び、のちには演劇学校にも通いました。美術だけでなく、建築、演劇、詩作など、生涯、多分野に渡って活躍したネーベルの若き頃からの関心の広さが窺えます。
その後、兵役中にフランツ・マルクの作品に感銘を受けたネーベル。ナチスの弾圧を受けたパウル・クレー同様にスイスのベルンに移住した後も、芸術への純真な姿勢を失うことなく制作活動を続けました。

オットー・ネーベル《避難民》1935年、グアッシュ、インク・紙、オットー・ネーベル財団

1924 WEIMAR

クレーとカンディンスキー、バウハウスワイマール校での出会い

バウハウスで教鞭をとっていたゲルトルート・グルノウのアシスタント、ヒルデガルト・ハイトマイヤーと結婚したネーベルは、バウハウスの校舎のあるワイマールに滞在。パウル・クレーやワシリー・カンディンスキーと知遇を得て、彼らの作品から制作への多大なるインスピレーションを受けるとともに、生涯に渡る友情を育むことになります。

「バウハウス設立網領」表紙部分:リオネル・ファイニンガー《カテドラル》、1919年、ジンコグラフィー技法、宮城県美術館

1926-1928 ASCONA

シャガールとマルクに憧れて

1916年、大胆なタッチと非現実的な鮮やかな色彩で動物を描いて人気を博したフランツ・マルクが、36歳の若さで戦死。マルクに捧げられた展覧会をベルリンで見たネーベルは画家になろうと決心します。ネーベル自身「子供の魂から生み出された」と語る色彩豊かな明るい作品は、マルクやシャガールからの影響を思わせます。左の作品は、ドイツなどから移住してきた芸術家たちが集ったスイスのアスコーナで描かれました。

オットー・ネーベル《アスコーナ・ロンコ》1927年、水彩、グアッシュ・紙、厚紙に貼付、ベルン美術館

1931 ITALY

カラーアトラス―色彩と光に目覚めたイタリアへの旅

1931年の3か月間のイタリア滞在は、ネーベルを大いに魅了しました。風景の中のモチーフは四角い色面に置き換えられ、各都市の個性を色彩で表現しようと試みます。特に『イタリアのカラーアトラス(色彩地図帳)』は、イタリアの各都市での色と形の探求の成果が美しくまとめられた秀逸なスケッチブックです。ネーベルはその後も数回にわたりイタリアを訪れ、自身の視覚感覚によって制作された色彩パレットに基づいて、実際の都市の景観を変容させていきました。

オットー・ネーベル《ナポリ》『イタリアのカラーアトラス(色彩地図帳)』より、1931年、インク、グアッシュ・紙、オットー・ネーベル財団

オットー・ネーベル《ポンペイ》『イタリアのカラーアトラス(色彩地図帳)』より、1931年、インク、グアッシュ・紙、オットー・ネーベル財団

ARCHITECTURE VIEWS

建築的景観―構築される画面

建築を学んでいたネーベルは、都市の建築物の構成の輪郭を単純化された立方体や結晶体の形にあてはめ、色彩のコントラストによって捉えようと試み、一連の都市の建築シリーズを描きました。また大聖堂のモチーフに興味を持ち、色のついたガラスを通って空間に溢れる光に満たされた内部空間を繰り返し描き出しています。

オットー・ネーベル《聖母の月とともに》1931年、グアッシュ・紙、ベルン美術館

オットー・ネーベル《ムサルターヤの町 IV 景観B》1937年、グアッシュ・紙、ベルン美術館

オットー・ネーベル《地中海から(南国)》1935年、水彩・紙、厚紙に貼付、オットー・ネーベル財団

1933-1973 BERN

後半生、移住先のスイスで試みた絵画的実験

敬愛するカンディンスキーと同じように、現実を再現するのではない抽象絵画を描こうとしたネーベルは、作品のタイトルにも音楽用語を使用し、音楽を感じさせる絵画を目指していきます。ネーベルは自らの挑戦を、オーケストラの指揮者になぞらえていました。

音楽―色彩によるオーケストラ

オットー・ネーベル《ドッピオ・モヴィメント(二倍の速さで)》1936年、ラッカー塗料・紙、オットー・ネーベル財団

オットー・ネーベル《コン・テネレッツァ(優しく)》1939年、テンペラ・紙、オットー・ネーベル財団

ABSTRACT

抽象―色と形の冒険

色と形だけで自立した絵画を目指したネーベルの作品は1933年にドイツを離れるとさらに開花していきます。1936年―51年までの間、カンディンスキーの尽力で、ニューヨークのグッケンハイム財団が作品を購入し、ネーベルの芸術活動を支援しました。
作品に込められた内面的な世界は、ルーン文字や易経への強い関心と結びつき、また62年に訪れた近東のイメージを取り込みながら、造形的、色彩的な探究とともに、豊かな精神性あふれる世界を生み出していきました。

オットー・ネーベル《輝く黄色の出来事》1937年、油彩・キャンヴァス、オットー・ネーベル財団

オットー・ネーベル《叙情的な答え》1940年、テンペラ・紙、オットー・ネーベル財団

オットー・ネーベル《満月のもとのルーン文字》1954年、油彩・板、はめ込み式の枠、オットー・ネーベル財団

ネーベルに影響を与えた画家たちー20世紀の色と形の冒険家たち

  • ドイツ表現主義運動を代表する雑誌・画廊である「デア・シュトルム」の活動を通じてシャガールの作品と親しんだネーベル。シャガール作品の幻想的なモチーフや鮮やかな色彩はネーベルの初期の作品に大きな影響を与えました。

  • ネーベルは若き日にバウハウスのワイマール校でクレーと出会い、作品制作の上で大きな影響を受けました。2人がともにベルンへ移住した後にはクレーが亡くなるまで家族ぐるみの親しい交流が続きました。

  • 20世紀初頭のアヴァンギャルドな動向のなかで、主導的な役割を果たしていたカンディンスキーは、ネーベルの作品のよき理解者でした。2人の友情は出会った時から晩年にいたるまでの度重なる手紙のやり取りにも見られます。

Illustration:ritsuko hirai

秋に楽しむ3展覧会
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■ 東京ステーションギャラリー

「シャガール 三次元の世界」

2017年9月16日(土)ー12月3日(日)

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■ パナソニック 汐留ミュージアム

表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち」

2017年10月17日(火)ー12月20日(水)

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