ゴールドマンコレクション これぞ暁斎! 世界が認めたその画力ゴールドマンコレクション これぞ暁斎! 世界が認めたその画力

《百鬼夜行図屏風》 明治4–22(1871–89)年 紙本着彩、金砂子

【開館時間】
10:00-19:00(入館は18:30まで) 金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)

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《動物の曲芸》(部分) 明治4–22(1871–89)年 紙本着彩/《鬼を蹴り上げる鍾馗》(部分) 明治4–22(1871–89)年 紙本淡彩 《三味線を弾く洋装の骸骨と踊る妖怪》(部分) 明治4–22(1871–89)年 紙本淡彩

幕末から明治を生きた天才絵師、河鍋暁斎。

河鍋暁斎(1831─1889)は、時代が大きく揺れ動いた幕末から明治を生きた絵師です。幼い頃に浮世絵師の歌川国芳に入門したのち、狩野派に学び19歳の若さで修業を終え、さらに流派に捉われず様々な画法を習得しました。仏画から戯画まで幅広い画題を、ときに独特のユーモアを交えながら、圧倒的な画力によって描き上げた暁斎。本展は、世界屈指の暁斎コレクションとして知られるイスラエル・ゴールドマン氏所蔵の作品によって、多岐に渡る暁斎作品の全体像を示します。

河鍋暁斎について

ゴールドマン氏からのメッセージ

 「なぜ、あなたは暁斎を集めているのですか?」 2002年、東京の太田記念美術館で私のコレクションによる最初の暁斎展について議論しているとき、初めて出会った有名な北斎研究家の永田生慈氏が、私にこういう質問をしました。これまで、だれ一人、このような直接的な質問をした人はいませんでした。ためらいなく、私は本能的にこう答えました、「なぜなら暁斎は面白いからです」

 私は暁斎を、その技術的な素晴らしさと人を魅了する力、感傷的でない動物の描写などで崇拝していましたが、何よりも彼の異様なほどのウィットとユーモアこそが、ほかの画家たちと彼との間に一線を画すことに気が付きました。
 私は、ロンドンのオークションで誰もが見落としていた彼の傑作、豪勢にも僅か55ポンドで落札して以来、暁斎の作品をおよそ35年以上にわたって収集しています。同じころ、私は一匹の象が遊んでいる小さい作品も入手しました。翌日、私はその小品を著名なコレクターに売却してしまったのです。しかし翌朝早くに目を覚まして、何か極めて価値あるものを失ってしまったことを嘆きました。数年間にわたって懇願した末に、それを買い戻すことに成功しました。(暁斎が私を発見したのであって、逆ではないと信じることは、コレクターの虚栄であります。)
 暁斎は収集するに値する素晴らしい芸術家であります。彼の作品は、スタイルにおいて、主題において、また技術において、ずば抜けた広がりを持っています。そして私は彼の代表的な作品を網羅するために、あらゆる努力をしました。今回の展覧会に展示されている作品の多くは、暁斎を愛する人々には良く知られているものですが、およそ80点は完全に新しい発見です。私はこのように暁斎に関する個人的な視点を表明する機会を与えられて、極めて有り難く思っています。

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注1:《百鬼夜行図屏風》(部分)明治4–22(1871–89)年 紙本着彩、金砂子
注2:《地獄太夫と一休》(部分) 明治4–22(1871–89)年 絹本着彩、金泥