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展覧会へのメッセージ

皆川 明(みながわあきら) minä perhonen デザイナー

クライドルフの残してくれたファンタジーは
私達に空想の種を見つけさせてくれるでしょう。
と同時にすべての生命あるものたちは互いに関係し合い
生きていることを教えてくれます。
そしてその様々な個の生き方が社会の多様性を生み出し
コミュニティーの調和を形成していることも物語から
自然に感じられるのではないでしょうか。
美しい色彩と昆虫たちの表情に引き込まれながら
私達、人間も小さな生きものの生命も同じ
一つの尊さだということに気付かされます。

本展には、皆川 明さんご所蔵の貴重なクライドルフの初版本『ちょうちょ』(1908年)が出品されます。

(プロフィール)
1967年生まれ。1995年に自身のファッションブランド「minä(2003年よりminä perhonen)」を設立。オリジナルデザインの生地による服作りを進め、国内外の生地産地と連携して素材や技術の開発に注力する。デンマークkvadrat社、英LIBERTY社をはじめとするテキスタイルメーカーにもデザインを提供。2006年「毎日ファッション大賞」大賞を受賞。近年は家具やうつわなどの生活デザイン、また 青森県立美術館、東京スカイツリー®のユニフォームのデザインも手がける。2009年10月にはオランダAudax Textielmuseum Tilburgにてデザイン展が、2010年9月には東京・青山のスパイラルガーデンにてミナ ペルホネン展覧会「進行中」が開催された。ブランド最新刊に書籍『minä perhonen?』(ビー・エヌ・エヌ新社)がある。

吉谷桂子(よしやけいこ) 園芸研究家、ガーデンデザイナー

花の精はきっといる。イギリスに住み庭仕事をしていた時にそう感じた事があります。そのうち、自然の草花が居心地良さそうに生きる場所なら、妖精はどこにでもいるのではないかと思うようになりました。クライドルフの妖精画は、まさにそうしたインスピレーションの瞬間です。また、この画の媚びない、簡素な筆致がすばらしい。これ以上でもこれ以下でもない、妖精はこんな存在ではないでしょうか。

吉谷桂子さんが、クライドルフの世界にインスパイアされて制作したフェアリーの潜む小さなガーデンジオラマが、 展覧会会場に出現します。

(プロフィール)
フリーランスの工業デザイナー、広告美術ディレクターを経て`92年渡英。約7年間の英国の暮らしを生かしたガーデンライフの楽しみを提案。 NHKを中心にガーデニング番組の企画やキャスターを務める。帰国後は、百貨店、集合住宅などのガーデンデザイン、国際バラとガーデニングショウのデザイ ナーズ・ガーデンを担当。東京ミッドタウン「ボタニカ」のテラスガーデン、箱根星の王子さまミュージアムなど、商業施設のガーデンデザイン。著書「花に囲まれた暮らし」(集英社)他、「吉谷桂子の小さな庭のガーデニング術」(ベネッセコーポレーション刊)他。