
落田 洋子「MILAGLOSS」
一枚の絵画に対面したとき、あなたはこの不可思議で無秩序な世界をどう受け止めるだろう。目の前の色や形、マチエールでさえも、あなたと私が見て感じ得ることは全く異なっているのかも知れない―。今展では、シュールレアリスムにみられるような精神世界、現実とも仮想ともおぼつかない幻想的な浮遊感を描く4人の作家たちが、あなたを非日常的な迷夢へとお誘いします。
被写体全てが不条理に配置されつつも洗練されたコンポジションと、ポエジーな寓話の世界を思わせる落田洋子。昭和レトロに彩られた懐かしい街の端々にたぎる生命力を描写し、旧懐な温かさを感じるかぼちゃシリーズで人気のトーナス・カボチャラダムス。主に動物をモチーフに淡い色彩と繊細なマチエール表現で甘美なノスタルジーを醸す細井世思子。明媚な世界観の中に、太古から永い時をかけて風化したような不整的な美しさを表現する山本靖久。
額中の創造世界なのか?現実の延長なのか?夢と現実が混成された幻想世界のはざまに見る者の内側が融け合ったとき、きっと百人百様の物語が生まれることでしょう。Bunkamura Gallery初の展示となる4名の作家たちが織り成す白昼夢を、是非ご高覧ください。
油彩・版画・アクリル・ミクストメディア・立体など、様々な手法による各人各様に表現された幻想の世界。夢とうつつで現実と区別がつかなくなるような感覚をお楽しみ下さい。