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岩松了が描くヤクザシリーズ第一弾!?

シダの群れ

作・演出:岩松了

22010年9月5日(日)~29日(水)/p>

Bunkamuraシアターコクーン

あらすじ&登場人物

このドラマは、抗争の中にあったあるヤクザの組が、抗争を鎮圧し、やがて仲間の粛清に入り、一人の組員を疎外することで仲間意識を高めていく物語である。
或いは、こうも言える。
ヤクザの世界にとどまらぬ人間の営みの普遍がそこにあると理解し、組織を死守しようとする男と、それがヤクザの世界だからと別の世界を求め、そこを離れようとする男の、友情に似た内的抗争の物語である。

あらすじ

組長が病に伏している。現在は、組長の片腕で、かつて香港でマフィアの一員だったという噂のある水野が仕切っているが、ある日、大事件が発生する。組長の孫が、敵対関係にある組によって人質に取られたのだ。その原因をつくってしまったのは、下っ端チンピラの森本。水野が決行を命じた銃撃戦の末に孫は戻って来るが、この事件によって組の将来の問題が一気にあぶり出される。組長の息子のツヨシ。ツヨシの妻と愛人。組長の長年の愛人で、今は水野に明らかな秋波を送る真知。その息子で、組員から厚い信頼を得ている人格者のタカヒロ。そして水野、森本。それぞれの立場で、かつてない切実さで、組の未来と自分の幸せを考え始める彼ら。問題は、それがどれもが少しずつ別の方向を向いていることだった。やがて、その違いがはっきりと思い知らされる出来事が起きる。その時、現実から最も遠い理想を抱いていた森本は……。

登場人物

水野

組長の片腕。
組長とは15 年前に香港で助けられたことから知り合い、日本に帰りその組長のもとに身を寄せることになった。妻子を香港に残していると言うが、日本での生活は謎である。

森本

組の下っ端。運転手。
とりあえずの仕事は、ツヨシの小学生の息子を学校まで送り迎えをすること。堅気の世界に嫌気がさして組に属することになったが、やがてここにも入りきれない自分を感じ出す。

ツヨシ

組長の長男。
二代目を目されているが、一本気すぎるのが弱点。組長である父より母が好き。裏を返せば家庭的なのだろう。が、やたら乱暴物なのだ。佐々木を弟分として可愛がっている。

タカヒロ

組長の外腹の子。
頭がきれるし、むしろ二代目はこちらが適任かと思われている。森本を可愛がっている。が、組の粛清の犠牲になる。

佐々木

森本と同じく下っ端。
だが、自分の方が上だと思っている。ヤクザ映画のファン。粛清の銃のひきがねをひかされる。

真知

組長の愛人。
タカヒロの母である。水野のことが好きで、強く求める。が、途中から、水野の言動に疑いを抱きはじめる。

リン

ツヨシの妻。
高校中退の不良少女だったが、ツヨシの子供を産んでから母性にめざめた。

ヨーコ

ツヨシの愛人。
妊娠するが果たしてそれがツヨシの子かどうかの嫌疑をかけられる。がそれは組の粛清のためのあらぬ嫌疑であると知る。そして精神に変調を来たす。

組員2人