マンガデザインで文化ツーリズム

meet at d47 番外編
シブヤで文化ツーリズム d47ってどんなところ?

大阪芸術大学の学生たちのまなざしを通して描かれた日本各地の魅力を発信する『マンガデザインで文化ツーリズム』。本サイトでは、学生たちがマンガデザインで描いた地域を実際に “感じることができる” 情報やストーリーも展開しています。

今回は、渋谷にいながら日本各地の歴史・祭・伝統工芸・食文化に触れられる「meet at d47」シリーズに登場するd47の魅力を深掘りしていきます。

 

都市と地域をつなぐ、文化の交差点

d47(ディ ヨンナナ)は、日本の47都道府県の魅力をデザインの視点から伝える拠点。2012年、東京・渋谷ヒカリエ8階にオープンし、〈d47 MUSEUM〉〈d47 食堂〉〈d47 design travel store〉の3つのプロジェクトが連動する複合施設です。それぞれが独立しながらも密接につながり、地域に根ざした暮らしや文化を体感できる空間になっています。

 

d47 MUSEUM

日本初のデザイン物産美術館。期間ごとのテーマに沿って、伝統工芸・観光・食・コミュニティデザイン・若手クリエーションなどを横断的に紹介します。展示に加えてワークショップやイベントも開催。ものや活動の背景・成り立ちを深く知ることができ、“日本のものづくりの今”に触れられます。

2025年3月20日(木)~6月29日(日)開催『d design travel SHIMANE EXHIBITION』

 

d47 design travel store

47都道府県から選び抜かれた日用品や工芸品を扱うセレクトショップ。1県につき1冊発刊しているトラベルガイドシリーズ『d design travel』の編集部の拠点でもあります。編集部やMUSEUMと連携しながら、商品の背後にある文化や作り手の思いを来訪者に届けています。

 

d47 食堂

日本各地の風土が育んだ食材を用い、郷土料理やローカルな食文化を紹介する食堂。季節や企画展に合わせてメニューを考案しており、料理だけではなく器や素材からも「その土地らしさ」を体感できます。


 

合言葉は「ロングライフデザイン」

d47の活動の根底に流れているのが、「ロングライフデザイン」という考え方です。
それは、単に“長く使える”という意味にとどまりません。
何十年、何百年と使われ続けてきた道具や営みの背景には、その土地の風土や環境、産業、人々の暮らしの積み重ねがあります。

たとえば、ひとつの器を手にとった時——

 それはどんな暮らしの中で使われてきたのか。
 どんな自然環境から素材が生まれたのか。
 どんな技術をもつ人がどんな想いで作っているのか。
 なぜその土地で、そのかたちに辿り着いたのか。

そうした“もののまわり”にある背景やストーリーも含めて価値として捉えるのがロングライフデザインです。流行や大量消費に左右されるよりも、心や暮らしを豊かにしてくれる本質的なものに目を向けると、その選択が結果としてすこやかな社会を育むことにつながります。

 

3つのプロジェクトはいずれもアプローチは異なりますが、共通しているのは地域や人に敬意を払い、その声や背景をていねいに伝える姿勢。その揺るがない哲学が、d47のロングライフデザインの精神を支えています。

 

編集の目が紡ぐ旅の眼差し

ロングライフデザインをさらに広げる活動として欠かせないのが、書籍『d design travel』編集部の存在です。彼らの編集方針は、「暮らすように旅して、本当に感動したものだけをデザインの視点から紹介する」こと。驚いたことに、編集チームはなんと約2か月もの間、現地に滞在して、”その土地らしさとは何か”を見極めるのだそうです。

観光名所やインターネットの情報に頼らず、編集視点に沿って地域らしい人や場所を地元の人に挙げてもらい、その声を起点に、人から人へと数珠つなぎのように旅を展開していきます。そうした体験をもとにじっくりと向き合うからこそ、表面的な情報からは読み取れない日常の営みや文化の根に対する審美眼が磨かれていくのです。

こうして出会った場所や人、ものづくりは、編集部の確かな眼差しのもとで一冊の書籍にまとめられます。さらに、〈d47 design travel store〉や〈d47 MUSEUM〉の企画展で取り扱う商品やイベントへとつながり、取材現場から生まれた生きた情報や物語が、読者や来訪者の心にも届きます。そして、次の旅や暮らしのヒントとなり、新たな“つながり”を生み出しているようです。

 

シブヤから広がる新たな旅の入り口

渋谷という都市の真ん中にありながら、地域の深層に触れることができるd47。ここでの出会いは、その土地に流れる空気や暮らしの温度、そして人々の営みの気配までも感じさせてくれます。そんな視点を持つと、旅の仕方やものの選び方は少しずつ変わっていくはず。

知り、味わい、想像を巡らせ、やがてその土地を実際に訪れたり、誰かと語りたくなる——そんなきっかけが、d47には詰まっています。

ぜひ一度、あなた自身の目でその世界に触れてみてください。


文:元行まみ
取材協力:〈d47 MUSEUM〉

 

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d47 MUSEUM
〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8階
お問合せ:03-6427-2301
https://www.hikarie8.com/d47museum/exhibition.shtml 
※外部サイトに遷移します
 

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▶spread from d47 シブヤから広がる文化ツーリズム 島根編
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【出典】