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2025.08.05 UP
[report]
キッズベースキャンプ×Bunkamura
『レオ・レオーニの絵本づくり展』学芸員と一緒に作品に込められたメッセージについて考える鑑賞体験
Bunkamuraでは、文化との新たな出会いが見つかる「学び」と「体験」の場として、渋谷をはじめさまざまな場所で文化・芸術のすそ野を広げる、新たな文化情報発信やアウトリーチ活動を展開しています。
昨年の夏に行われた『鈴木康広展 ただ今、発見しています。』の鑑賞&ワークショッププログラム に続き、今年もBunkamuraは、東急グループの民間学童保育 キッズベースキャンプ(以下、KBC)を利用する子どもたちと、8月27日(水)までヒカリエホール(渋谷ヒカリエ9F)で開催中の『レオ・レオーニの絵本づくり展』におけるアート体験プログラムを実施しています。
キッズベースキャンプ×Bunkamura
『レオ・レオーニの絵本づくり展』開幕記念プレイベント【SDGsなスイミーバッグをつくろう!】レポートはこちら
今回は、KBC(KBCα用賀、KBC桜新町、KBC∞三軒茶屋、KBC∞武蔵小杉、KBC武蔵小杉東急スクエア)を利用している小学生の皆さんと共に『レオ・レオーニの絵本づくり展』を鑑賞し、本展担当学芸員と一緒にレオーニが絵本を通して伝えたかったメッセージについて考えるイベントを行いました。
展覧会をより楽しむための事前レクチャー
イベント当日、ヒカリエホールに到着した子どもたちは、会場に入る前にまず担当学芸員から展覧会の見どころと展覧会鑑賞マナーのレクチャーを受けました。
担当学芸員による展覧会の見どころ紹介の様子。目をキラキラさせながらモニターに映し出される絵本の数々を見る子どもたちからワクワクが伝わってきます。
レオ・レオーニの代表的な作品の1つである『スイミー』は多くの小学生が国語の授業で学ぶ身近な作品でもあるせいか、会場に大きな『スイミー』のスクリーン展示があると聞いて子どもたちは大喜び。展覧会への期待がふくらみます。
展覧会鑑賞マナーのレクチャーでは、入場時に配布され、また、会場内にも掲出されている『展示室でのおやくそく』について、担当学芸員と一緒に「守ってほしい理由」について考えながら学びました。他の展覧会を観に行くときにもきっと役に立つ鑑賞マナーを習得したところで、いよいよ展示室に向かいます。
事前レクチャーの後、入口で『おやくそく』が書かれた紙をもらって、いざ展示室へ。ワクワクとドキドキでちょっと緊張しています。
世界に1つだけの原画とインスタレーションで体感する絵本の世界
第1章では、レオ・レオーニが絵本でつかったさまざまな技法を見ることができます。「手でちぎったのはここだね!」「これははさみで切ったのかな?」とお友だちやキッズコーチ、Bunkamuraスタッフと話しながら、レオーニがつかった技法を直接鑑賞しつつ確認してみたり、自分でもやったことのある技法を見つけたりしながら作品を楽しみました。
第1章で技法の展示を見る子どもたち。レオーニがどうやって絵本をつくったのか、興味深々です。
第2章は、事前のレクチャーで担当学芸員から「あとでみんなでお話するのでよく読んできてね!」と言われていた『6わのからす』を原画で読むことができるセクション。すっきりとした大きな壁に原画が並ぶ様子は壮観です。『6わのからす』を知っている子も知らない子も、原画を見ながら真剣にストーリーを読み込んでいました。
1人でじっと黙読したり、お友だちと一緒に見たり、それぞれ好きなスタイルで『6わのからす』を楽しみました。
インスタレーションでレオーニの世界を体感できる第3章『レオレオリウム!』では、展示室に足を踏み入れた子どもたちから思わず「わぁ!」「すごい!」と歓声が上がる一幕も。大きなスクリーンに映された『スイミー』やレオーニの絵本に登場する動植物の標本をたっぷり楽しんだり、レオーニが絵本で多用した技法のひとつである、凹凸のある物の上に紙を置いて柄をこすり取る「フロッタージュ」を体験したりして、レオーニの頭の中の世界を時間いっぱいまで体感していました。
絵本や教科書で見た大きなスイミーの絵に子どもたちは目をキラキラさせていました。
フロッタージュを体験する子どもたち。柄を写し取りながら、凹凸の違いを楽しみました。
『6わのからす』に込められたメッセージを学芸員と一緒に考える
展覧会をたっぷり楽しんだ後は、少し休憩をはさんで『6わのからす』のストーリーを振り返りながら、レオーニが絵本の中で伝えたかったメッセージについて考えます。担当学芸員との対話の中で各々の考えを述べたり、自分と家族やお友だちとの関係を重ね合わせたりしながら、『6わのからす』に込められたメッセージをひも解いていきました。
「ここはどう思った?」という担当学芸員の問いかけに、積極的に感想を話したり、他の人の考えをじっくり聞いたり。普段は人前であまり話さない子が手を挙げて話す場面も見られました。
イベント終了後、子どもたちは「ぜんぶ楽しかった!」「家でもフロッタージュやってみたい!」「絵本をつくってみたい!」など、たくさんの感想を笑顔でスタッフに聞かせてくれました。絵本を読んだり作品を鑑賞しただけでは気づかなかったかもしれない技法や、レオーニがストーリーの中で伝えたかったメッセージについて、担当学芸員や周りの人たちと一緒に見て、感じたことや考えを共有したことで、鑑賞体験をより実り多いものにすることができたのではないでしょうか。
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今回のレポートでご紹介したBunkamuraザ・ミュージアムが手掛ける『レオ・レオーニの絵本づくり展』は、8月27日(水)までヒカリエホール(渋谷ヒカリエ9F)にて開催中です。第1章と第2章ではレオーニが絵本制作の上でこだわったさまざまなテクニック(技法)やストーリー(ものがたり)をキーワードとして貴重な絵本原画をご紹介。また、第3章ではインタラクティブな作品を手掛けるアートユニットplaplaxによるレオーニの絵本の世界を体感できる、本会場限定コンテンツを展開します。
まるで絵本の中に入り込んだような会場には、お子さまから大人までワクワクが止まらない仕掛けを設け、「スイミー」のコンテンツをはじめ、レオーニが生んだ数々の名作絵本の魅力を全身で体感いただけます。レオーニが絵本を通じて伝えようとしたメッセージを多様な手法で表現した、本展随一のスペシャルエリアを体感しに、ぜひ足をお運びください。
レオ・レオーニの絵本づくり展 8月27日(水)まで開催中!
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このイベントは、Bunkamuraとキッズベースキャンプが協働し、子どもたちとアートをつなぎ、本物を体験することを目的として開催されました。
●キッズベースキャンプ
株式会社東急キッズベースキャンプが運営する民間学童保育。個性を引き出すプロのコーチングと、キッズMBA、SDGs、STEAM、食育、本の世界、スポーツ、キャンプ、海外ツアーなどキッズデザイン賞受賞の多彩な体験プログラムで非認知能力「社会につながる人間力」を育みます。