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2024.12.24 UP
[report]
探究型・芸術体感プログラム×大日向小学校 レポート 3/3
鈴木康広さんによる大日向小学校の「見立て」マップが完成!
Bunkamuraオープンヴィレッジでは学校と協働して、文化・芸術を多角的に捉え、体感しながら知識や教養を身につけ感性を育む取り組みをおこなっています。
2024年7月~9月にかけて二子玉川で開催したBunkamuraザ・ミュージアム企画「鈴木康広展 ただ今、発見しています。」と連携して、長野県の大日向小学校に通う子どもたちに鈴木康広さんが伝える「見立て」の面白さを届けるプログラムを展開してきました。
子どもたちと鈴木さんの出会いになった6月のワークショップ終了後も、子どもたちの「見立て」探しは続き、それぞれが見つけた「見立て」の写真にタイトルをつけて、7月に学校内で作品展を開催しました。
◎鈴木康広さんによるワークショップレポート
「見立て」って面白い!アーティストと一緒に発見の宝箱をひらく はこちら>
◎大日向小学校「見立て」の作品展開催レポート
アーティストとの出会いが探究心を引き出した!個性きらめく「見立て」の作品展 はこちら>
子どもたちの「見立て」が、世界とつながる「見立て」マップに大変身
鈴木さんは子どもたちが各々の感性で見つけた「見立て」作品に触発され、東京の研究室から長野の子どもたちに向けて「見立て」マップの制作を開始します。子どもたちが展示した「見立て」作品1つ1つに向き合い、鈴木さんの視点で絵にしていきます。学校の中で見つけられた「見立て」たちは、鈴木さんの手により新たな作品に生まれ変わり、大日向小学校が世界とつながる「見立て」マップが完成しました。
背景は、ワークショップを実施した6月の新緑をイメージ。緑の違いも感じられたらとグラデーションにしたそうです。
後日、鈴木さんにお話を伺うと「絵にすることで、しっかり見る。その子が見たものを、より見ようとする。」と語られ、子どもたちの作品と粘り強く、そして真摯に向き合われたことが伝わってきました。子どもたちの目線で改めて観察することで、見えてくる世界があるようです。
「見立て」の写真を撮って終わりではなく、それをきっかけに次のステップへと進むことで“作品”に近づいていく…。そんな変化を垣間見ることができました。写真から絵に進化したことで、子どもたちの「見立て」作品も新たなスタートラインに立ったようです。
作品名「じぐざぐかいだん」
作品名「図書館のかばん」
大日向小学校の子どもたちが、ふたたび「見立て」と出会う
寒さがいっそう厳しくなってきた12月。鈴木さんの想いがつまった「見立て」マップとメッセージが、大日向小学校の子どもたちのもとに届けられました。
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みんなの見立てを見せてくれてありがとう!とても楽しめました。
身近なものの見方を変える「見立て」の面白さをますます感じることができました。
みんなの写真を観て感じたことや見えたことをスケッチし、ぜんぶが集まった世界地図を描きました。
ぜひもう一度、みんなの見立てを楽しんでください。鈴木康広
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ワークショップの参加者だけでなく大日向小学校に通う子どもたち全員に楽しんもらえるようにポスターサイズのマップもお渡しして学校内に掲示してもらいました。
子どもたちが「見立て」と出会うワークショップから半年が経った今。「記憶の新陳代謝が早い子どもたちはきっと“見立て”のことも忘れているだろう」と話す鈴木さん。このマップを手にすることで「見立て」の記憶が呼び起こされたらいいなとひそかに期待をされていましたが、マップを受け取った子どもたちの様子を見る限りでは、鈴木さんの想いはこの贈り物を通して確かに届き、ふたたび感性の扉をひらくきっかけを与えたようです。
Bunkamuraでは、文化との新たな出会いが見つかる「学び」と「体験」の場として、渋谷をはじめさまざまな場所で文化・芸術のすそ野を広げる、新たな文化情報発信やアウトリーチ活動を展開しています。