ウェンディ&ピーターパン

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    INTRODUCTION見どころ

    あのウェンディたちが新たな冒険を展開するマジカルファンタジー

    シアターコクーンが海外の才能と出会い、新たな視点で挑む演劇シリーズ“DISCOVER WORLD THEATRE”。この夏におくるシリーズ第11弾は、イギリス演劇界注目の若手作家兼演出家、エラ・ヒクソンによる『ウェンディ&ピーターパン』の登場です。スコットランドの作家ジェームス・マシュー・バリーによる世界的に有名な戯曲『ピーターパン』を、ウェンディの視点から大胆に翻案。かつてシリーズで『るつぼ』『民衆の敵』を手掛けたトップクリエイター、ジョナサン・マンビィの演出で、2013年に英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの新作公演として上演されました。躍動感あるフライングやムーブメント、美術や映像を駆使したステージは“スペクタクルとマジカル満載の美しい舞台”と瞬く間に話題沸騰。待望の日本初演では、マンビィがさらなるバージョンアップを目指し、Bunkamuraでの3作目の演出を、今回はオーチャードホールに場所を移して挑みます。

    黒木華×中島裕翔がW主演、馴染み深い世界観から現代社会へ通じるテーマを浮き彫りに

    タイトルロールには、黒木華(ウェンディ)と中島裕翔(ピーターパン)の人気と実力を兼ね備えたフレッシュな顔合わせが実現しました。また、『るつぼ』『民衆の敵』で主演を務めた堤真一が、フック船長とミスター・ダーリングの二役を担い、マンビィと三度息を合わせます。「よく知っている物語でありながら、同時にまったく新しい物語。胸が張り裂けるように、心に強く訴えかける作品」とマンビィが語る、子供たちと、かつて子供だった大人たちの胸を震わすファンタジックな冒険物語。ときめきと感動の舞台にどうぞご期待ください。

    文・上野紀子

    STORYストーリー

    1908年のロンドン。ダーリング家の子供部屋。ウェンディ(黒木華)、ジョン(平埜生成)、マイケル(前原滉)、そして体の弱いトム(下川恭平)は戦争ごっこをしながら部屋中を飛び回っている。そこへ両親であるミスター&ミセス・ダーリング(堤真一、石田ひかり)が入ってくる。家族が揃った姿は幸せそのもの。
    その晩熱を出したトムを医者に診てもらうも、診立てはあまりよくない。やがて皆が寝静まった遅い時間に子供部屋の窓からピーター(中島裕翔)がやってきてトムを連れ去っていく…。
    それから1年後のある日の夜、子供部屋の窓が開き、再びピーターパンが現れる。驚くウェンディはジョンとマイケルを叩き起こし、トムを探すためにネバーランドへとピーターたちと共に旅立つのだった。

    DIRECTOR演出

    ジョナサン・マンビィ

    ジョナサン・マンビィ

    PROFILE

    イギリスの名門ブリストル大学で古典戯曲を学び、卒業後はブリストル・オールド・ヴィック劇場、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)を遍歴。

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    数多の人気演出家のものとで研鑽を積み、その後、演出家として国内・海外で精力的に活動。RSC、ロンドン・グローブ座などの名門劇場をはじめ、ウエストエンド、ブロードウェイなど欧米各地で数々のプロダクションを手掛けている。2009年には『The Dog in the Manger』にてヘレン・ヘイズ賞最優秀演出賞候補にノミネート。日本では、2012年の佐藤健・石原さとみ主演『ロミオ&ジュリエット』で初進出し、16年のシアターコクーンでの『るつぼ』、18年の『民衆の敵』を演出。近年の演出作品に、『Wendy & Peter Pan』(RSC)、ジョナサン・プライス主演『The Merchant of Venice』(RSC)、『OTHELLO』、『ALL THE ANGELS』、『KING KONG』、イアン・マッケラン主演『リア王』など。

    コメント

    DISCOVER WORLD THEATRE

    COMMENTジョナサン・マンビィ

    「ウェンディ&ピーターパン」は、誰もが楽しめて、そして色々なことを考えさせ、感動を与える作品です。英国気鋭の劇作家であるエラ・ヒクソンが、ジェイムス・バリの誰もが知る「ピーターパン」の物語に新たな命を吹き込みました。物語はウェンディの目線で描かれていて、その大胆な解釈より、劇場に来たお客様はこの冒険物語を新鮮な目で見ることができるでしょう。よく知っている物語でありながら、同時にまったく新しい物語なのです。原作に登場する愛すべきキャラクター達には、それぞれに新しい仕掛けやひねりが加えられています。そして魅力的な新しいキャラクター達も登場します。伝統的なものが好きな方にも、現代演劇が好きな方にも楽しんでいただけると思います。

    このプロダクションは刺激的でわくわくするような壮大な作品でありながら、胸が張り裂けるように心に強く訴えかける作品です。伝説のネバーランドへの旅では、これまで見たこともないような世界が目の前に現れます。エラ・ヒクソンが描き出す、この並外れて素晴らしい物語は、子供から大人まで、あらゆる世代のお客様を魅了することでしょう。さらに、フェミニスト作家であるエラのレンズを通して、大胆な疑問が投げかけられています。どうしてウェンディは急いで大人になって男の子たちのお母さんにならなければいけないのか?どうして女の子は海賊ごっこのような男の子の遊びをしてはいけないのか?それから、どうしてロスト・ガールズはいないのか? そしてウェンディは、魅惑的でどこか謎めいたピーターと出会い、初めての愛を知って行くことになります。

    この作品は、私にとって非常に特別な作品です。この作品に取り組み始めてから、もう10年以上がたちました。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)で、ストラットフォード・アポン・エイヴォン(シェイクスピアの生誕地)の劇場のクリスマスの演目として、「ピーターパン」の新しいバージョンをつくってくれないか、と頼まれたところから、私のこの作品との旅が始まりました。そうして上演した作品は非常に高い評価を受け、観客たちにとても愛されました。ストラットフォードでのRSCの公演史上、最も人気の高い作品となり、2年後には再演、完売公演となりました。

    そして今年、2021年に、このスペシャルな作品を東京で上演し日本のお客様に見ていただけることを本当に嬉しく思っています。また、舞台美術・衣裳デザイナーとして、オリジナルプロダクションのデザイナーであり、多くの受賞歴を持つコリン・リッチモンドさんを招くことも非常に楽しみです。今回の新しいプロダクションはまさに国際的なプロジェクトになります。英国と日本のクリエイティブな才能を融合して1つの作品をつくるのです。創作においても文化おいても両方の国の要素をとりいれた、唯一無二のプロダクションが生まれることでしょう。私の長きにわたる日本でのコラボレーターである黒田育世さん(日本における本当に素晴らしいムーブメントディレクターであり、ダンス界における唯一無二の存在)、かみむら周平さん(現代演劇・映画における最も秀でた日本人作曲家の一人)、そして勝柴次朗さん(照明デザインの匠)とご一緒できることを本当に幸せに思っています。

    そして、ウェンディには黒木華さん、ピーターパンに中島裕翔さん、フック船長とダーリング氏に堤真一さんという才能溢れる俳優の皆さまがご参加くださることになりました。本当に素晴らしい俳優である華さんとまたご一緒できるのはとても嬉しいことです。「るつぼ」での彼女とのワークは、そのすべてが本当に楽しく、今回も彼女ならではの魅力、ウィット、そして知性をもって、素晴らしいウェンディを見せてくれるでしょう。裕翔さんとは初めてご一緒しますが、このプロダクションでこうしてご一緒できることをとても楽しみにしています。すでに裕翔さんの才能、魅力、そして温かさとウィットは見せていただいており、成熟さと少年の純粋無垢な要素をあわせもつ、まさに今回の新しい、現代的で洗練された解釈のピーター役にぴったりだと思っています。今日本で最もエキサイティングな若いパフォーマーの一人である裕翔さんは、きっと伝説に残るようなピーターパンをつくりだしてくれることでしょう。真一さんとは今回で3度目のコラボレーションになりますが、またご一緒できることを本当に嬉しく思っています。真一さんは、世代を代表する素晴らしい俳優のお一人であり、彼の技術と俳優としての幅と深みで、真一さんだけの特別なフック船長をつくりだしてくれると思います。

    私はこの作品を心から愛しています。この作品は、とても楽しくて爽快であるというだけでなく、とても重要な問いかけを私たちに投げかけていると思います。私たちは命・生とどう向き合うのか、大人になるとはどういうことか、そしてつまりは私たちはいかに死と向き合うのか。この作品は、愛する人を失った家族の悲しみに新しい光を照らします。J.M. バリの原作がそうであるように、喪失感や絶望の暗闇から、幸せと喜びへ進んで行く道を示してくれているのです。そして、命には限りがあるということへの恐怖、いつまでも子供のままでいたい、大人になりたくないという人間が生まれ持った願望についても大切なことを教えてくれます。なぜなら、私たちは誰もが、ピーターパンのように、いつまでも子供のまま、そして永遠に生きていたいと心の中で願っているのですから。