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~鑑賞記~ 10/6(土)第71回定期演奏会

よく晴れた土曜日の午後、N響オーチャード定期71回定期演奏会が行われました。

2012年10月6日(土)15:30開演

指揮:ルイ・ラングレ  ヴァイオリン:堀米ゆず子

モーツァルト:歌劇「皇帝ティトゥスの慈悲」序曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 作品74「悲愴」

 

公演へご来場くださった方々から、早速コメントをお寄せいただきました!

 

◆◇ 鑑賞記 ◇◆

■ ラングレのドラマティックな指揮、攻めの姿勢でリードする堀米 ■

ルイ・ラングレは、シンシナティ交響楽団の次期音楽監督が決まっているフランスの指揮者。「悲愴」交響曲では、熱っぽいドラマティックな指揮を披露。特に第4楽章はN響のしなやかな弦楽器の音色とともに感動的だった。前半は堀米ゆず子がメンデルスゾーンの協奏曲を弾いた。フランクフルトの税関で楽器を押収された彼女は、日本音楽財団から貸与されたストラディヴァリを演奏。攻めの姿勢で全体をリード。艶のある音を楽しむかのよう。さすがである。      
(音楽評論 山田治生)

 

■ 仕事に煮詰まったら、創造に満ちたクラシックコンサート! ■
久しぶりのフルオーケストラ、クラシックコンサート。クラシックは大好きだけど、詳しいわけでは全然ない。レポートを書くことになって、予習をしていくべきか悩みましたが「初心者なりに新鮮な気持ちでレポートを書こう!」と、予習なしで挑みました。とはいえ、会場では曲目解説やソリストインタビューが掲載された“無料プログラム”が配られているので、簡単にこれに目を通しておきました。
1曲目はモーツァルト。「戴冠を祝うために作られた」というだけあって、とっても華やか。5分ほどの序曲でしたが、クラシックを聴くぞ~という気分が盛り上がります。
2曲目は、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。ソリストの堀米ゆず子さんは、エメラルドブルーのチャイナドレス風のトップスにパンツという颯爽というスタイルで登場。女性ソリストといえば、何となくドレスで登場するイメージがあったので、こういうスタイルもあるんだ…と面白くなりました。
プログラムによると、この日、堀米さんが弾いていたのは、1717年に製作されたストラディヴァリウス。1717年と言えば、日本は江戸時代! 約300年の人も同じ音を聞いたのかと思うと、なんだかロマンチック。ヴァイオリン協奏曲は、クラシック初心者の私にもおなじみのメロディで、ヴァイオリン特有の切ない音がいつまでも耳に残りました。
3曲目はチャイコフスキーの「悲愴」。前半2曲と違って、演奏する楽団員も増え大迫力。そのメロディを映画に例えると、ラブソングあり、アクションあり、人間ドラマあり…というような感じ。これが映画で1本にまとまっていると訳が分からなくなるけど、クラシックだとものすごく盛り上がる! 大作を見たような、ワクワク&ドキドキ感、そして人生の重たさも感じさせてもらいました。
クラシックを誰かに勧めるとしたら? 私は間違いなく、仕事にちょっと疲れている方たちにおすすめします。それは、単に癒される…ということではなく、クラシック音楽がものすごく創造性に満ちたものだから。疲れて鈍っていた感性も、めちゃくちゃ刺激されるはず。ポップスやロックのコンサートと違って、聴衆は静かなので、目を閉じればプライベートコンサートのような贅沢感も味わえます。それから“一流”の仕事に触れるということも大切。ルイ・ラングレのタクトによって楽団員がひとつになり音楽が紡がれていくのも感動だし、私が生まれた頃から国際的に活躍している堀米さんが、今も真剣に音楽に向かい合っている姿にも刺激されます。直接的にではないけれど、仕事のヒントをたくさんもらって帰路についたのでした。
(ライター 山下由美)

 


ご来場くださったお客様には共感いただけるところが多いのでは。

 

聴き逃した方は、ぜひ12月の公演へお運びください。

 

ライブな感動をご用意してお待ちしています!