オーチャードホールのプリンス、堂々の帰還! 盟友のマーラー・チェンバーとともに待望の来日公演

ダニエル・ハーディング指揮 マーラー・チェンバー・オーケストラ

2011年6月7日(火)、8日(水)19:00

Bunkamuraオーチャードホール

イントロダクション

6月7日(火)19:00開演》
マーラー:「花の章」、「子供の不思議な角笛」より'むだな骨折り''この世の生活''ラインの伝説''美しいトランペットが鳴り響く所''だれがこの歌を作ったのだろう'、交響曲第4番

《6月8日(水)19:00開演》
ヨハネス・ブラームス:交響曲 第3番 ヘ長調 作品90、交響曲 第1番 ハ短調 作品68

 もはや押しも押されもしない世界的な大物指揮者、ダニエル・ハーディングが久々にオーチャードホールの舞台に帰ってくる。前回は2001年11月にドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンとの公演でシューマン、ブラームスなどドイツ・ロマン派の交響曲を中心に鮮烈な作品解釈で我々を驚かせてくれた。そして彼の日本デビュー公演も、ここオーチャードホールで行われたのであった。1999年1月、Bunkamura10周年記念企画のひとつとして来日したエクサンプロヴァンス国際音楽祭のモーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」がその舞台である。ハーディングは当時、弱冠24歳。前評判ではむしろ演劇界の大御所、ピーター・ブルックによる演出のほうが話題を呼んでおり、ハーディングについては、その指揮者としてはあまりの若さを危惧する声が多かったのである。また実際、オーチャードホールのオーケストラ・ピットに姿を現した青年というよりは少年に近い華奢な体つきに、失笑さえ漏れかねない雰囲気であった。しかしそのスリムな体が鞭のようにしなって「ドン・ジョヴァンニ」序曲の和音が鳴らされた瞬間、聴衆はまさに金縛り状態になった。そのテンポは少々やり過ぎと思えるほど快速なのだが、聴き進むうちにこれ以外のテンポ設定はありえないと納得できるような説得力をもった演奏で、とてもあの頼りなげだった少年から生み出されているものとは信じられないような思いを誰しもが抱いたのではないだろうか。ハーディングと日本の音楽ファンの出会いは、とても幸せな形で実現したのだった。

 そしてその後のハーディングの活躍は目を見張るばかり。今年35歳という若手指揮者と呼ばれるに相応しい年齢だが、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、シュターツカペレ・ドレスデン、バイエルン放送響、ロイヤル・コンセルトヘボウ管などに定期的に出演し、既にして指揮者界の頂点の一角に登りつめる出世振りである。オペラ界においてもザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルとともに「ドン・ジョヴァンニ」、「フィガロの結婚」、ミラノ・スカラ座で「サロメ」、コヴェント・ガーデン王立歌劇場で「ヴォツェック」など最高峰の歌劇場で活動を続けている。

 今回の来日ではマーラーとブラームスの作品を披露してくれることになっている。マーラー・プログラムで演奏される「花の章」はもともと第1交響曲「巨人」の第2楽章として作曲され、その後削除された作品。演奏会で取り上げられることが少ないので、ライヴで聴けるこの機会は貴重だ。歌曲集「子供の不思議な角笛」で登場するのは今、人気急上昇中のソプラノ、モイツァ・エルトマン。サイモン・ラトル指揮、ベルリン・フィルとの共演や録音、また名門レーベル、ドイツ・グラモフォンと録音契約を結ぶなど歌唱力は折り紙つき。それに加えご覧のとおりモデルと見紛うほどの美貌の持ち主でもある。当然、4番シンフォニーの最終楽章のソプラノも彼女が登場する。ハーディング十八番のマーラー演奏とともにエルトマンの歌唱も要注目である。もうひとつのブラームス・プログラムは3番と1番のシンフォニー。2001年のドイツ・カンマー・フィルとの演奏会でも3番を取り上げ従来の重厚なイメージとは一味違った颯爽とした解釈を聴かせてくれた彼のこと、今回の演奏も期待が高まる。

 衝撃の日本デビューから12年、世界でも指折りの指揮者にまで登りつめたハーディングの現在を体験する絶好のこの機会をどうぞお見逃しなく!


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