新作バレエの世界初演に向けて、迫真のリハーサル!情感のこもったシャープなダンス・シーンがつぎつぎと"

今、東京発の最新のバレエが制作されている。牧阿佐美バレヱ団のダンサーたちが華やかに踊る時空を超えた壮大なバレエ・ファンタジー『ア ビアント』のリハーサルを取材した。
色とりどりの稽古着ダンサーたち。思い思いにストレッチをする彼らの緊張した神経が網の目のように張りめぐらされたスタジオに入る。
まずは、ムトラ・バーキン、塚田渉、菊地研、京當侑一龍、邵智羽、徳永太一という大型男性ダンサー6名のボレロ。スタジオの空気が一気に凝縮したような迫力と躍動感に満たされる。若く美しい二人のソリスト、伊藤友季子と青山李可を中心にコール・ドがからむ24名の踊りが華やかに続いた。
そして、演出・振付の牧阿佐美が現れると、一瞬にしてダンサーたちの気持ちがフォーカス。
主役カナヤ役の吉田都、リヤム役のロバート・テューズリーとダブルキャストで踊る田中祐子と逸見智彦による森のシーン。冥界の女王役の草刈民代、吉岡まな美が菊地研などと踊るシーンが緊迫した雰囲気の中で演じられる。
ひとつの踊りが終ると、ダンサーに役柄の気持ちの表現と動きに牧阿佐美が注文をつける。するとたちまちダンサーの集中力が高まって、ドラマが明らかに見えてくる。それはまるで、魔法の杖が一振りされたような鮮やかさだった。
巨大な建物を造るように、さまざまのダンス・シーンが創られて組み立てられ、やがて新作のバレエはその姿を現す。今から世界初演の舞台が待ちきれない。
草刈民代
田中祐子&逸見智彦
吉岡まな美
text by 関口紘一
photos ©鹿摩隆司



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