運命のアーティスト・カップル モディリアーニと妻ジャンヌの物語展

本展の見どころ

秘蔵作品が日本初公開

アメデオ・モディリアーニの作品は日本でも大変人気があり、国内でもこれまでに何度か紹介されてきましたが、今回、妻ジャンヌ・エビュテルヌの遺族により秘蔵されてきた、未発表のモディリアーニの素描やジャンヌ自身が描いた作品、そしてポートレートや書簡など約200点が、日本初公開となります。

画家ジャンヌ・エビュテルヌという女性

これまでジャンヌ・エビュテルヌという女性は、画家モディリアーニにとってのミューズ、そしてモデルとしての 側面しか語られてきませんでした。今回の展覧会では、ジャンヌ・エビュテルヌの親族が秘蔵していた コレクションを通して、“画家ジャンヌ・エビュテルヌ”としての実像が明らかになります。また、これまで語られ てきた一般的なジャンヌ像は、モディリアーニが描いた作品の中で、うつろな瞳で笑みをたたえる若く おとなしい女性とされてきましたが、今回公開される彼女のポートレートには、知的で強い意志を持った聡明な 女性像が映し出されています。

モディリアーニの研究史へ新たな事実

アメデオ・モディリアーニの研究史では、彼の作品や生涯にまつわるいくつかの重要な発見がありましたが、近年、ジャンヌ・エビュテルヌの遺族が保管していた作品と資料の中から、新たな真実が発見されました。
それは、これまであらゆる文献でふたりの出会いは、1917年パリの謝肉祭(2月)とされてきましたが、このたび新たに見つかった3 ヶ月ほど前の作品の中に「かわいいジャンヌへ」という献辞が含まれていたことから、ふたりの出会いは1916年12月頃という新事実が分かりました。

運命に翻弄されたアーティスト・カップル

“モンパルナスのプリンス”と呼ばれたモディリアーニは、数々の女性たちと恋に落ちますが、ジャンヌとの出会いはまさに運命的ともいえるものでした。芸術家どうしの愛は、彫刻家ロダンとカミーユ・クローデル、音楽家ショパンと作家ジョルジュ・サンドなど才能と愛憎が激しくぶつかり合うものが多く、モディリアーニとジャンヌも様々な運命に翻弄されました。まるで映画のような劇的なふたりの物語は、実際映画『モンパルナスの灯』でも、美男俳優ジェラール・フィリップとアヌーク・エーメによって演じられましたが、本展は決してフィクションではない、アーティスト同士の真実の愛がここにあります。
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