セバスチャン・サルガド SEBASTIÃO
SALGADO
1944年ブラジル生まれ、パリ在住。写真界のカリスマとして幅広い年齢層に支持されている、現在、最も活躍し尊敬される写真家であり優れたフォト・ジャーナリストです。
ブラジルで法学、農学を学び、米国のバンダービルド大学で経済学の修士号を取得。ブラジル大蔵省に勤務後、60年代の民族解放運動に際し軍事政権の弾圧を受けて、フランスに亡命しました。その後、パリ大学で農業経済学の博士号を取得したのち、写真を撮り始めたという特異な経歴を持つ写真家です。79年に写真家集団「マグナム」の会員候補、84年に正会員となり、96年に脱会し独立しました。
長年、国際機関との協力関係を続け、2000年にニューヨークの国連本部で個展を開催、2001年には写真家として初めてユニセフ(国連児童基金)の「特別代表」を任命され、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)やWHO(世界保健機関)のキャンペーンなどにも写真を提供しています。現在は、地球環境問題を提起するプロジェクトを進めています。
常にグローバルな視点を崩さず、刻々と変容する世界情勢を緻密にリサーチした上で、現場に入り撮影する姿勢は変わりません。社会的に弱い立場におかれた人々の営みに焦点を絞り、本質を捉えた作品は神々しい美しさをたたえ、直面する現実と生命の大切さ広く伝えて、W.ユージン・スミス人道主義写真助成金賞やオスカー・バルナック賞など数々の賞を受賞しています。苦難の中で生きる人間に対するサルガドの共感と敬意が、人々の品位と尊厳を引き出し、深い感動を呼び起こします。 |