トピックス
\メッセージ到着/ソール・ライター財団代表マーギット・アーブ氏
2023.06.05 UP
<大規模プロジェクションで体感するソール・ライターの色彩の世界>
本展の目玉として、ヒカリエホールの大空間を利用し、10面の大型スクリーンに最新の作品群約250点を投影します。カラー写真をスライドショーで投影して見るという、古くて新しい鑑賞方法で、ソール・ライターの卓越した色彩の世界に誘い出し、迫力の展示によってカラー写真の魅力の新たな扉を開きます。
この大規模プロジェクションの展示の企画構成に関して、長年ソール・ライターのアシスタントを務め、現在はソール・ライター財団代表のマーギット・アーブ氏のコメントをご紹介します。
\メッセージ到着/ソール・ライター財団代表マーギット・アーブ氏
本展の大型プロジェクションによるソール・ライター写真の展示は、これまで誰も見たことのない形という意味で「まったく新しい」試みとなります。1940年代後半から1960年代にかけてソールが撮影したこれらの写真は、もともと「スライド」と呼ばれる紙の枠(マウント)をつけたとても小さいフィルムから生まれました。これらのスライドは、ソール自身が編集し、整理をし、しまっていたもので、それぞれの写真には、写真家がとらえた当時の場所や瞬間が表現されています。スライドは
火事、立ち退き、数回の水漏れ、さらに数十年にわたるニューヨークの暑い夏を生き抜いてきました。長い時間と困難な環境条件にも関わらず、現時点で整理済みの約4万点に及ぶスライド・コレクションの大半に損傷や退色はほとんど見受けられません。色彩は、ソールがフィルムに写し撮ったオリジナルの瞬間を奇跡的に忠実に残しています。彼の唯一無二の構図と絵画的色彩センスが、すべてそこにはあります。ソールのスライドは、脚光を浴び称賛されることを何年もただ待ち続けたタイムカプセルのようなものなのです。
撮影:ソール・ライター ©Saul Leiter Foundation