ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター

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2020.07.30 UP

【応援メッセージ】飯沢耕太郎さん(写真評論家)

2017年のBunkamura ザ・ミュージアムでのソール・ライター展は、もはや伝説の展覧会といってよい。多くの観客にとって、彼の名前ははじめて聞くものだったはずだ。だが展覧会は大ヒットし、カタログも驚くほどの売れ行きになった。それはひとえに彼の写真に、われわれを強く惹きつける魅力があったためだろう。独特の色彩感覚、「間」を活かした構図、ニューヨークという街そのものの輝き――さまざまな理由はあるだろうが、何よりも大きかったのは、純粋に写真を「撮る」ことの歓びを追求する、彼の姿勢への共感だったのではないだろうか。そのソール・ライターの写真を、もう一度見ることができるのはとても嬉しい。2020年1月にオープンした新たな内容の展覧会は、コロナ禍によって会期の途中で中止となったが、まさかのアンコール開催がきまったのだ。素晴らしい写真とともに、幸せな時間を過ごしていただきたい。

                                                                               飯沢耕太郎(写真評論家)