ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター

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新型コロナウイルス感染症対策のため、ご来館前にお客様へのお願いと当館の取り組みを必ずご確認ください。

また、本展では8/8(土)以降の土日祝日に限り【オンラインによる入場日時予約】が必要となります。(8/6現在)

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  • 会場の温度は、作品保護のため低く設定しておりますので、体調管理のしやすい服装でのご来館をおすすめします。
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Bunkamura 東京都渋谷区道玄坂2-24-1

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    Introduction
    イントロダクション

    私の写真が、人類の状況を改善することに貢献したことはないが、
    誰かに喜びを与えているとは信じていたい。
    — ソール・ライター

    “カラー写真のパイオニア”として、独自のアングルでニューヨークの日常を撮りつづけ、近年その魅力が再評価された写真家ソール・ライター。2017年、Bunkamura ザ・ミュージアムで日本初の回顧展を開催し大きな話題を呼びました。さらに2020年1月には「永遠のソール・ライター」展を開催。2度目のブームを巻き起こしはじめたかのように思われていた矢先、新型コロナウイルスの影響で閉幕前に突然の中止を余儀なくされてしまいました。
    ところが、彼の作品は数奇な運命を辿ることとなります。作品の所蔵元であるソール・ライター財団(ライターが生涯愛したアトリエ兼アパートが、現在では財団事務所)があるニューヨークは、日本を大きく上回る感染者数の拡大に見舞われ、作品返却の目途が立たない事態となり、日本で大切に保管されることとなりました。 日本美術をこよなく愛したソール・ライターの没後、2014年に財団が設立された際、「日本での回顧展開催」が大きな目標だった財団が途中閉幕を余儀なくされた我々の気持ちを汲み、展覧会の開催を快諾してくれたおかげで、このたび、急遽アンコール開催が決定いたしました。

    約8万点のカラー写真をはじめ、作品の大半を整理することなく世を去った写真家の「発掘作業」は、ソール・ライター財団により現在進行形で続けられています。本展では、ソール・ライターが愛し慈しみ、よき理解者であった妹のデボラや恋人のソームズ、愛し共に暮らした猫たちを被写体とした作品や、世界初公開となるソール・ライターの膨大に残された未プリントフィルムのカラースライド(ソール・ライター財団によりデータ化)を展示。また、これまでほとんど紹介される機会をみなかった2000年以降に撮影されたデジタルカメラでの作品、自ら“芸術の到達点”と語ったスケッチなど、2017年の初回顧展時から新たに整理された作品・資料をメインに、ぶれることのない生き方、独自の姿勢をつらぬいたソール・ライターの創作の背景、そして、その実像に迫ります。

    《デボラと一緒のセルフ・ポートレート》1940年代、ゼラチン・シルバー・プリント ©Saul Leiter Foundation
    《デボラと一緒のセルフ・ポートレート》1940年代、ゼラチン・シルバー・プリント ©Saul Leiter Foundation

    ◎ソール・ライター撮影の出展作品につきましては、2020年1月開催「永遠のソール・ライター」と同一になりますが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から展示構成を一部変更しています。映像コンテンツ「スライド・プロジェクション」の上映はございませんが、スライド作品は形を変更してお楽しみいただきます。

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    ソール・ライター 《デボラ》 1940年代、ゼラチン・シルバー・プリント ©Saul Leiter Foundation
    ソール・ライター 《デボラ》 1940年代、ゼラチン・シルバー・プリント ©Saul Leiter Foundation

    石川直樹さん(写真家)

    彼の写真は確かに美しいし、巧い。
    それでいて、古くからニューヨークを撮り続けているから、一時代の記録としても価値がある。「伝説」というのは言い過ぎだと思うが、人気が出るのも頷ける。

    ただ、ぼくが惹かれるのは、いかにも彼らしい色彩や構図に秀でたスナップではなく、妹のデボラを撮影したモノクロの暗めのシリーズだ。

    他の作品と連続して観ていくと、このシリーズだけ不穏な空気を纏っていて、彼女を撮らざるをえなかったライター自身の内面が、意図せず滲みだしているように思えたからだ。この妹の写真と、淡々と描き続けていたという小さなスケッチの束を見て、ぼくはソール・ライターという写真家が好きになった。

    石川直樹さん 公式HP / 公式インスタグラム

    石川直樹さんにゲスト出演いただきました8/25(火)生配信 ニコニコ美術館『アンコール開催中のBunkamura ザ・ミュージアム「永遠のソール・ライター」展を巡ろう』は、9/28(月)までの期間限定でアーカイブ配信中です。ぜひご覧ください。

    ニコニコ美術館の詳細はこちら

    須藤 蓮さん(俳優)

    須藤 蓮さん(俳優)

    日常に潜む永遠の一瞬を捉えた
    儚くも美しい彼の作品と

    時代と逆行するような
    ソール・ライター の人生哲学が

    生き急ぐことでしか前に進めない僕らに

    歩き方を教えてくれた気がした。

    2020年2月にNHK Eテレ「日曜美術館」にて本展が特集で紹介時された際、ゲスト出演いただいた須藤 蓮さん。須藤さんのお気に入り作品《夜のバス》は、展示室内にてご覧いただけます。

    須藤 蓮さん 公式HP / 公式インスタグラム

    飯沢耕太郎さん(写真評論家)

    飯沢耕太郎さん(写真評論家)

    2017年のBunkamuraザ・ミュージアムでのソール・ライター展は、もはや伝説の展覧会といってよい。多くの観客にとって、彼の名前ははじめて聞くものだったはずだ。だが展覧会は大ヒットし、カタログも驚くほどの売れ行きになった。それはひとえに彼の写真に、われわれを強く惹きつける魅力があったためだろう。独特の色彩感覚、「間」を活かした構図、ニューヨークという街そのものの輝き――さまざまな理由はあるだろうが、何よりも大きかったのは、純粋に写真を「撮る」ことの歓びを追求する、彼の姿勢への共感だったのではないだろうか。そのソール・ライターの写真を、もう一度見ることができるのはとても嬉しい。2020年1月にオープンした新たな内容の展覧会は、コロナ禍によって会期の途中で中止となったが、まさかのアンコール開催がきまったのだ。素晴らしい写真とともに、幸せな時間を過ごしていただきたい。

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