生誕60周年記念 くまのパディントン™展

TOPICS見どころ

第1章パディントンの物語

“どうぞこのくまのめんどうをみてやってください。おたのみします。―ブラウン夫妻が初めてパディントンに会ったのは、駅のプラットホームでした。それだからこそ、パディントンなどという、クマにしては珍しい名前がついたのです。つまり、パディントンというのが、その駅の名でした。”物語はここから始まります。第1章では、児童文学「パディントン」シリーズでお馴染みのペギー・フォートナムが描いた挿絵原画と複製画によって、10巻にわたるパディントンの物語をたどりながら、パディントンやブラウン一家、物語に登場するイギリスの生活文化やロンドンの名所などを紹介します。

  • ペギー・フォートナム画『くまのパディントン』の挿絵原画、1958年
    Illustrated by Peggy Fortnum © Paddington and Company Ltd 2018

  • ペギー・フォートナム画「パディントン」シリーズの挿絵(複製)
    Illustrated by Peggy Fortnum © Paddington and Company Ltd 2018

第2章パディントン誕生秘話

パディントンの生みの親、マイケル・ボンド氏(1926-2017)が語るパディントン誕生秘話の映像や、仕事道具、手紙類など貴重な私物を展示します。パディントン執筆のために欠かせなかったという年季の入ったオックスフォード辞書など、制作背景がうかがえる資料をご覧ください。

  • タイプライター

  • 箱型カメラ

  • パディントンのパペットアニメシリーズが銀賞を受賞した
    ニューヨーク国際フィルム&TVフェスティバルの賞状

  • 出版当時パディントン宛に送られてきたファンレター

第3章世界のパディントン

児童文学「パディントン」シリーズは1958年の出版以後、瞬く間に人気小説となり次々と新しい話が誕生しました。そして、1972年からは子ども向けの絵本も出版されました。最初の絵本を担当したのはフレッド・バンベリーで、その後時代と共にいろいろなアーティストによって新たなパディントンが生み出されました。第3章では、フレッド・バンベリーをはじめ、デイビッド・マッキー、R.W.アリー、ジョン・ロバンによる原画と、世界中で出版された書籍の数々、そして日本とパディントンの深いつながりを紹介します。

  • フレッド・バンベリー画 絵本『パディントンのかいもの』の原画、1973年
    Illustrated by Fred Banbery © Estate of Fred Banbery/HarperCollins 2018

  • R.W.アリー画 絵本『クマのパディントン』の原画、2007年
    Illustrated by R.W. Alley Illustrations copyright © R.W. Alley 2018

  • デイビッド・マッキー画
    絵本『パディントンとゆうえんち』の原画、1980年代後半
    Illustrated by David Mckee © David Mckee/HarperCollins 2018

左:第1巻『くまのパディントン』
マイケル·ボンド作/ペギー·フォートナム画/松岡享子訳(1967年初版·福音館書店)
右:第10巻『パディントンの大切な家族』
マイケル·ボンド作/ペギー·フォートナム画/田中琢治/松岡享子訳(2008年初版·福音館書店)

日本とパディントン

日本でも長年親しまれてきた児童書シリーズを翻訳した松岡享子先生(本展監修者)と第8巻からの共訳者、田中琢治さんとの交流のエピソードを紹介します。

松岡享子先生が本展覧会図録のためだけに未邦訳の『Love from Paddington』より2エピソードを翻訳!ファン必読の図録です。

第4章パディントン大活躍

アイバー・ウッドは絵本や商品デザインだけでなく、パディントンの4コマ漫画も手がけていました。本章ではイギリスの新聞「ロンドン・イブニング・ニュース」に掲載されたチャーミングな漫画の原画と、アニメーション映像やパペットアニメの小道具、各国で製作されたぬいぐるみや雑貨を展示し、さまざまなパディントンの表情を探ります。

  • アイバー・ウッド画 4コマ漫画「パディントンのスチームバス」の原画、1978年
    Illustrated by Ivor Wood © Paddington and Company Ltd 2018

  • アイバー・ウッド画 商品化のためのアイデア画、1970年代後半
    Illustrated by Ivor Wood © Paddington and Company Ltd 2018

  • © P&Co. Ltd. 2018

第5章おわりに

2017年6月に逝去されたボンド氏のインタビュー映像(2016年12月撮影)で、改めてパディントンの世界を振り返ります。作者のメッセージに込められた思いとは…?

ペギー・フォートナム画
『パディントン、テストをうける』の挿絵原画、1979年
Illustrated by Peggy Fortnum
© Paddington and Company Ltd 2018