2018.05.21 UP
渋谷・コクーン歌舞伎 関連イベント 落語「お富与三郎」
先週、関連イベントとして開催した落語「お富与三郎」。
今回のコクーン歌舞伎「切られの与三」を落語の視点から深く楽しんでいただく企画です。
「お富与三郎」を得意とする落語家の隅田川馬石師匠をお招きし、大長編「お富与三郎」を約70分に凝縮してのスペシャルバージョンでお贈りしました。
今や、この大長編を全編通して高座にかけているのは馬石師匠だけ。
「玄冶店」のあの有名な名台詞から、与三郎とお富が三度再会した後のエピソード、衝撃的で切なさが込み上げるラストシーンなど、奇遇な出逢いを繰り返す与三郎とお富の運命的で波乱万丈な人生を馬石師匠の繊細な情景描写と巧みな表現力で熱演していただきました!!
イベントを終えた馬石師匠からコメントが届きました。
落語の「お富与三郎」は全九話あります。一話一話密度が濃く脇役が大勢出て来て個性的で面白い、お富が出てこない所も有ります。一時間にまとめるにはどうしたらいいか、粗筋を喋ってもつまらないしと悩んでいた所、コクーン歌舞伎「切られの与三」を観て迷いは晴れました。この物語は面白いものなんだと。
芝居では役者の華、魅力がそのまま与三郎の魅力になるんだなぁと思いました。玄冶店のあの名台詞も清々しい。僕もあの台詞が言いたいが為に苦労して全編覚えたようなもので、自分への褒美のように、(しがねぇ恋の情が仇・・・)と演りました。
今回「お富与三郎」を一時間で通して演ってみて、現代に通じる「お富与三郎」の可能性を見つけました。よい機会を頂き有り難うございました。
隅田川馬石