世界

世界

【重要なお知らせ】1月11日〜14日14時公演(計4公演)中止のお知らせおよび、払い戻し方法について

出演者にさらなるインフルエンザ発症が確認されましたので、先日発表させていただいた3公演と14日(土)14時公演につきましても中止とさせていただきます。なお、同日14日(土)19時公演は実施の予定です。中止公演について再度のお知らせになり大変申し訳ありません。ご来場を予定くださったお客様には、多大なるご迷惑をおかけしますこと心より深くお詫びを申し上げます。

詳細はこちら

◎追加公演 1/26(木)19:00 チケット発売日 1/13(金)10:00〜

アクセスマップ

舞台映像ダイジェスト版

  • 稽古場風景・キャスト新インタビュー

  • スポット

  • キャストコメント動画

Storyあらすじ

千葉県船橋市。郊外のうら寂れた一角のとある家族を中心とした物語。
足立家の人々。誰彼構わず噛みつく父・義男(風間杜夫)は工場を経営しているが、実質は息子の健二(大倉孝二)にまかせている。愚痴や噂話を喋り続けるばかりの義男の妻・節子(梅沢昌代)は、ある日突然に離婚を切り出し、家を出る準備を進めている。健二は8年前に妻・美紀(青木さやか)と結婚したが、スナックのママ宏子(鈴木砂羽)と浮気中。
自宅に隣接する工場では、義男が知人の親に頼まれ、預かった引きこもり青年・辺見(早乙女太一)と、工場同様くたびれた風情の服部(福田転球)が働いている。
彼らが仕事終わりにたむろするのは、宏子と夫・坂崎(赤堀雅秋)が営むスナックである。
一方、美紀のパート先であるスーパーの店員・諸星(和田正人)は風俗嬢のあずみ(広瀬アリス)に片思いをしている。
親子の確執、夫婦の問題、浮気、離婚、嘘など様々な波紋が広がっていく中、逃れられない小さな人間関係の機微、生々しい日常は、細い糸で結び合い絡まって・・・

Point見どころ

『殺風景』『大逆走』を経て原点に立ち返った赤堀雅秋が「世界」の成り立ちと真理に迫る!

劇作家、演出家、そして映画監督として、暗く澱んだ人間の深淵を見据えながら、シニカルなユーモアをまぶして創出する作品群で、独自の作品世界を確立している赤堀雅秋。シアターコクーンには2014年、実際に二つの家族間で起きた無惨な殺人事件を題材にした『殺風景』で初登場。翌2015年の『大逆走』では一転して、虚実のあわいを疾走する男女の不思議な追跡劇を生み出し、新たな一面を見せた。
「『大逆走』は自分にとっても大きな転機となった作品。抽象舞台や歌舞伎の表現を取り入れるなど、拙いながらに自分なりの挑戦を多々させてもらいました。結果、自分にとっての演劇とは何か、自分が演劇でなすべき・全うすべきことは何なのか、という根本的な部分を見つめ直すことになった。行き着いた答えは“市井の人々とその暮らしを描くことだ”というものだったんです」。(赤堀)
自身の原点に立ち帰り、新たな創作へと臨む。そんな心境のもとに赤堀が取り組む、シアターコクーン第三弾となる最新作が『世界』だ。
「前二作を振り返ると、やはり“コクーンだから”という気負いや背伸び、普段とは違うことをやってやろうというところが自分でも見える。でも、意外にいつも通りの小劇場サイズな描写や呟きが、観客にちゃんと伝わっていたという実感もあって。だったら無理せず、自分が納得できることだけを舞台に乗せ、俳優さんたちにやってもらおうというのが『世界』での僕のスタンス。散々もがいて、この年になってようやく、そんなささやかな自信が持てたのかも知れません。『世界』というタイトルは、言葉の含むものが広く漠然とし過ぎていて、滑稽だしバカバカしいと思ってつけました(笑)。茫漠とした世界で生きる人間、そのミニマムな営みを描写することによって、逆に作為的でなく世界の小ささや本質が透けて見えてくる。そんな作品をつくりたいと思っています」。(赤堀)
透徹した人間観察者・赤堀が演劇を通して暴く、「世界」の成り立ちと真理を観客は目撃することになる。

シアターコクーン×赤堀雅秋

『殺風景』舞台写真

©細野晋司

第1作殺風景

Date ... 2014/5/3(土)~5/25(日)
Cast ... 八乙女光、大倉孝二、荻野目慶子、江口のりこ、近藤公園、大和田美帆、尾上寛之、太賀、福田転球、駒木根隆介、安藤聖、キムラ緑子、西岡徳馬

詳細はこちら

『大逆走』舞台写真

©細野晋司

第2作大逆走

Date ... 2015/10/9(金)~10/25(日)
Cast ... 北村一輝、大倉孝二、池田成志、吉高由里子、峯村リエ、趣里、冨浦智嗣、三村和敬、濱田マリ、大鷹明良、秋山菜津子

詳細はこちら

Comment & Profileコメント & プロフィール

  • 赤堀雅秋

    赤堀雅秋Masaaki Akahori

    プロフィール

    1971年8月3日生まれ、千葉県出身。劇作家、脚本家、演出家、俳優。 劇団「THE SHAMPOO HAT」の旗揚げ以来、全作品の作・演出・出演をこなす。人間の機微を丁寧に紡ぎ、市井の人々を描くその独特な世界観は赤堀ワールドと称され、熱狂的なファンを持つ。第57回岸田國士戯曲賞を『一丁目ぞめき』(上演台本)にて受賞。2014年、シアターコクーンにてBunkamura25周年作品の1つとして、『 殺風景』(作・演出)を発表、そして2015年も『大逆走』(作・演出)を公演し、最も勢いのある劇作家として注目を集めている。初監督作品『その夜の侍』(12)では同年の新藤兼人賞金賞、ヨコハマ映画祭・森田芳光メモリアル新人監督賞を受賞。モントリオール世界映画祭(ファースト・フィルム・ワールドコンペティション部門)、ロンドン映画祭(ファースト・フィーチャー・コンペティション部門)、台北金馬奨映画祭などに正式出品され、各方面で話題になった。 2016年6月18日より監督第二作目『葛城事件』(三浦友和主演)が公開。

    コメント

    演劇に携わって約二十年。雑種の犬が己の肛門の匂いを嗅ぎたくてクルクルと不毛に回転をし続けるかのごとく己の作劇の本質を探ってきて、時折通り過ぎる上等な血統の犬の肛門も嗅いではみたが「やはり違う」と何となく違和感を覚え、中空を睨み、やがて風に運ばれてきた匂いに「これだ!」と必死に鼻先を求めてみたら不本意ながら己の肛門で、結局不毛な回転。さすがに最近気付いてきた。劇作家として自分が何を成すべきか、何が出来るのか、いや、何しか出来ないのか。諦念ではない。青臭い言い方をすれば、覚悟だ。 生活者を描く。ミニマムな人間を人生を描く。演劇界に向けての演劇ではない。世界に向けた驚くほどチンケで凡庸なドラマ。それがシアターコクーンであっても構わない。ならば「壮大に」ミニマムな人間ドラマを描くだけだ。

  • 風間杜夫

    風間杜夫Morio Kazama

    プロフィール

    1949年4月26日生まれ。東京都出身。77年以降、つかこうへい事務所の舞台に出演。映画『蒲田行進曲』では、日本アカデミー賞最優秀助演男優賞など多数受賞。舞台、映画、TVドラマ、ナレーションとマルチに活躍するだけでなく、落語に取り組むなど実力派俳優として第一線を走り続けている。近年の出演作として、舞台『国民の映画』『ジュリエット通り』『熱海殺人事件』『家庭内失踪』『正義の味方』、TVドラマ NHK連続テレビ小説『マッサン』『エイジハラスメント』『HOPE』、映画『スキャナー』など。公開待機作として映画『本能寺ホテル』(2017年公開予定)がある。

    コメント

    独特の世界観で、日常に潜むグロテスクな部分をあぶりだしていくのが、赤堀さんの作品と思います。今回は初参加であり、新鮮な気持ちで臨みたいと思っております。“世界”というタイトルからは、果てしない底の深い、広がりのある人間模様が描かれるのでは、とイメージしております。

  • 大倉孝二

    大倉孝二Koji Ohkura

    プロフィール

    1974年7月18日生まれ。東京都出身。1995年よりナイロン100℃に参加。個性派俳優として幅広く活躍している。近年の主な出演作は、舞台NODA・MAP『エッグ』『大逆走』ナイロン100℃『消失』(再演)『ヒトラー、最後の20000年〜ほとんど、何もない』ジョンソン&ジャクソン『夜にて』(作・演出もつとめる)、TVドラマ『火の粉』『グッドパートナー 無敵の弁護士』、映画『HERO』『ロマンス』『秘密 THE TOP SECRET』など。

    コメント

    今回で3回連続の出演ですが、過去2回でやれなかった部分を出せたらいいなと思っています。
    台本に描かれていることをどれだけ面白くできるかを考えながら、赤堀さんが観たことのない大倉君を見せたいと言ってくれているので、今回はそれに挑戦していきたいと思ってます。

  • 早乙女太一

    早乙女太一Taichi Saotome

    プロフィール

    1991年9月24日生まれ、福岡県出身。大衆演劇「劇団 朱雀」二代目として全国の舞台を踏む一方で、北野武監督の映画『座頭市』出演をきっかけに一躍脚光を浴び人気を博す。近年の主な出演作に、舞台『髑髏城の七人』、『蒼の乱』、『刀舞鬼-KABUKI-』、TVドラマ『ふたがしら』『信長燃ゆ』、映画『KABUKI DROP』 『HiGH&LOW THE MOVIE』など。今後は、TVドラマ『ふたがしら2』が2016年9月17日よりOA予定。映画『HiGH&LOW THE RED RAIN』2016年10月8日公開。『たたら侍』が2017年に公開予定。

    コメント

    生まれた時から一般の家庭とはかけ離れて育ってきて、舞台では着飾ることが多く、日常的なものが少ないので、“市井の人々”という世界観にチャレンジできるのは、楽しみでもあり、不安でもあります。緊張しすぎず、赤堀さんの世界の中に入っていけたらと思います。

  • 広瀬アリス

    広瀬アリスAlice Hirose

    プロフィール

    1994年12月11日静岡県生まれ。2008年に映画『死にぞこないの青』で女優デビュー。2009年雑誌『セブンティーン』の専属モデルオーディションでグランプリ受賞。モデルとして活動スタートさせる。近年の主な出演作に、TVドラマ『35歳の高校生』『釣りバカ日誌〜新入社員 浜崎伝助〜』『妄想彼女』、映画『銀の匙Silver Spoon』『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』『全員、片想い』『L-エル-』など。公開待機作として映画『新宿スワンII』(2017年1月21日公開)『巫女っちゃけん。』『氷菓』(2017年公開)がある。本作で、初舞台を踏む。

    コメント

    事務所の先輩たちの舞台を観て、いつか自分も舞台に立ってお客さんの目の前で演技したいと思っていましたが、いざとなると緊張します。風間さんをはじめ大先輩の中で、こうして初舞台を迎えられ、とてもいい環境なので、先輩の素敵なところを盗んでいきたいと思います。

  • 青木さやか

    青木さやかSayaka Aoki

    プロフィール

    1973年3月27日生まれ。愛知県出身。フリーアナウンサーとして名古屋を中心に活躍した後、バラエティ番組で人気を博す。近年は女優として数々のミュージカルやストレートプレイなどの舞台やTVドラマに出演し、活躍の場を広げている。近年の主な出演作に、舞台三谷幸喜版『桜の園』NODA・MAP『MIWA』、『アニー』、『HEADS UP』、『狸御殿』、『雪まろげ』、TVドラマ『ゆとりですがなにか』、NHK連続テレビドラマ小説『とと姉ちゃん』『37.5℃の涙』『オリエント急行殺人事件』、映画『春子、超常現象研究所』など。

    コメント

    赤堀さんの作品はすごく好きで、映画『葛城事件』も物凄く面白かったです。観ていて苦しいような悲劇ですが、ところどころ笑えるところもあって、おそらく第三者の目線がいつもどこかにあるから、他者から見るとそれが笑えることなのかなと思います。その世界観に入れるのがとても嬉しいです。

  • 和田正人

    和田正人Masato Wada

    プロフィール

    1979年8月25日生まれ。高知県出身。2013年に出演したNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』泉源太役にて注目を集め、その後TBS『ルーズヴェルト・ゲーム』、EX『スペシャリスト』など話題作に次々と出演。最近はNTV『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』にレギュラー出演したほか、映画『14の夜』(脚本・監督:足立紳)、「花戦さ」(監督:篠原哲雄)など話題作への出演が続々と発表になっている。また、2017年NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』にも出演が決定している。舞台への出演は『駆けぬける風のように』第69回文化庁芸術祭・新人賞(2014年 演出:成井豊)・こまつ座 第108回公演『小林一茶』主演 (2015年 演出:鵜山仁)以来となる。

    コメント

    赤堀さんの作品は、まず登場人物の造形が生々しいというのが舞台も映画も観ての印象です。ちょうど新しい自分の演技を見つける時期でもあり、赤堀さんの演出を受けるのは楽しみでもあり、その後の自分がどうなっていくのか期待もあります。結構な覚悟を決めて臨もうと思っています。

  • 福田転球

    福田転球Tenkyu Fukuda

    プロフィール

    1968年9月10日生まれ。大阪府出身。1993年に「転球劇場」を旗揚げ、座長を務める。 以降、2006年のさよなら公演『3バカ』まで13年間、31作品全作品に出演。構成・演出を手がけた。一度は解散するも、2008年4月に再結成。また現在は「マサ子の間男」という歌喜劇ユニットを立ち上げ、『歌喜劇/市場三郎~温泉宿の恋』では脚本を務め、脚本家としても精力的に活動中。近年の主な出演作として、舞台『殺風景』『ショーシャンクの空に』『十一ぴきのネコ』(再演)、TVドラマ『Nのために』『下町ロケット』など。

    コメント

    出演した『殺風景』は、狂気というか恐怖といってもいいサスペンスな作品でした。今回も荒いシーンがあるかもしれませんが、自分自身は朗らかというか、やわらかい部分を出せたらと思っています。観客の皆さんに、こんな世界があるんだ、生きているんだということが伝わればいいなと思います。

  • 梅沢昌代

    梅沢昌代Masayo Umezawa

    プロフィール

    1953年7月27日生まれ。東京都出身。文学座を経て松本修らとMODEを旗揚げに参加し、1994年まで在団。蜷川幸雄、栗山民也、長塚圭史などの舞台作品に出演。『父と暮らせば』にて読売演劇大賞・優秀女優賞、『箱根強羅ホテル』にて紀伊国屋演劇賞・個人賞、『ピアフ』にて菊田一夫演劇賞・演劇賞を受賞。近年の出演作は、舞台『太鼓たたいて笛ふいて』『奇跡の人』『タンゴ・冬の終わりに』、映画『小野寺の弟・小野寺の姉』『夫婦フーフー日記』『ふきげんな過去』など。2017年NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』に出演予定。

    コメント

    赤堀さんとは共演しましたが、演出を受けるのは初めてです。赤堀作品は事件があって、いやな感じがするし、激しい台詞のシーンも多く、でも笑えて、最終的には希望が感じられるのでとても好きです。風間さんとの夫婦役は2回目で楽しみにしています。

  • 鈴木砂羽

    鈴木砂羽Sawa Suzuki

    プロフィール

    1972年9月20日生まれ。静岡県出身。文学座の研究所を卒業後、主演映画『愛の新世界』で日本映画史上初のヘアヌードシーンに挑戦し一躍注目を集めた。 この作品でブルーリボン新人賞、キネマ旬報新人賞、毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞受賞などを受賞した。近年の主な出演作に、舞台『正しい教室』、『なりたい自分にな~れ』『マクベス』、TVドラマ『ドラえもん、母になる~大山のぶ代物語~』『刑事夫婦』、映画『しあわせカモン!』『Zアイランド』『俺物語‼』など。公開待機作として映画『土竜の唄 香港狂騒曲』がある。

    コメント

    赤堀さんの舞台は2回目の出演になり、描かれるその独特な世界観が好きです。赤堀さんの演出はとても細かく組み立てていくので、そのあたりは今から楽しみです。この“世界”を彩る個性派の役者たちで、一人一人が面白い人物となって、新たなる“赤堀ワールド”を創っていければと思っております。