8月の家族たち August:Osage County

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現代アメリカ演劇の金字塔 KERAの演出で待望の日本初演!!!

2007年にシカゴの劇場で産声をあげた本作は瞬く間に脚光を浴び、同年にはブロードウェイに進出、戯曲はピューリッツァー賞を受賞、作品はトニー賞最優秀作品賞の他4部門を受賞、映画版は各国の映画賞を受賞・ノミネートされるなど、輝かしいばかりの功績を誇る。
本作を生み出したのは、脚本家・劇作家・俳優としてキャリアを積んできたトレイシー・レッツ。代表作『キラー・ジョー』『バグ』はともに映画化され、本作にて多くの受賞歴を誇る、いま世界でもっとも熱い劇作家だ。

演出を担うのは、劇団ナイロン100℃の主宰であり、常に日本演劇界のトップランナーであるケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)。『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~』以来3年半振りにシアターコクーンで演出をする。自身のオリジナル戯曲『わが闇』(’07/’13再演)、『祈りと怪物』(’12)、チェーホフの『三人姉妹』(’14)など数々の「三姉妹作品」を演出し、得意とするKERAが、今回新たにトレイシー・レッツの描く「三姉妹と家族たちの不協和音」の指揮を執る。翻訳劇&現代アメリカ演劇初演出となった『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』(’06)から10年。さまざまなジャンルの舞台を創作してきたKERAが、満を持して現代アメリカ演劇の傑作に挑戦する。

STORY

8月、オクラホマ州のオーセージ郡。うだるような暑さの中、ウェストン家の三姉妹のうち、長女バーバラと次女アイビーが実家に戻ってきた。詩人でアルコール中毒の父ベバリーが失踪したというのだ。ベバリーは家政婦ジョナを雇った直後に、姿を消していた。家に残されていたのは、薬物の過剰摂取で半錯乱状態となり、口を開けば罵声を娘たちに浴びせる母バイオレットだ。長女バーバラは夫のビル、娘のジーンを伴っていたが、家族には明かせない問題を抱えている。両親想いの次女アイビーもまた、家族には秘密の恋愛を育んでいる。ぎくしゃくした母と娘たちの緩衝材は、陽気な叔母マティ・フェイと夫のチャーリーだ。そして一家に、衝撃的な現実が突きつけられた。やがて三女カレンが婚約者のスティーブを連れて姿を現す。叔母夫婦の息子リトル・チャールズも到着し、ようやく一族全員が揃ったディナーのテーブルで、それぞれが抱える鬱積が爆発し…。

CHART相関図

  • ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント

    プロデューサーから「他人の戯曲で演出してみたいものはありませんか」という提案を受けたので、必死に探したのです。なかなかやりたいホンは見つからなかった。で、トレイシー・レッツという作家に行き当たったわけです。 なかなかに辛辣なコメディを書く人で、日本でも「BUG」という作品が坂手洋二氏の演出で上演されておりますが、この人の新作が賞をとって映画化されたと 聞いたのが発端です。しかも三姉妹と母親の確執を描いたドラマだという。三姉妹モノに目がない私です。お、これは、と触手が動きました。
    タイミングよく日本で封切られた映画版を観に行きましたが、観客が喜劇だと思ってないからか、殆ど客席に笑いは起こりませんでした。その後、ブロードウェイ上演の影像を観ると、打って変わって爆笑の連続。とくに映画と舞台で大きな違いはないのにです。
    観る人によって反応が大きく変わるというのは、すなわち作品の幅を示しているのであり、こいつぁやりがいがあると感じ、すぐに上演権の獲得を依頼しました。
    キャスティングについては、今回は私の要望とプロデューサーサイドのオーダーを擦り合わせました。結果、私にとって未知の俳優さんを含めた、新鮮な顔ぶれが集結。楽しみです。
    それから、急遽、演出に加え、上演台本もやらせてもらうことにしました。近年連続しているチェーホフ作品同様、大幅な改変は一切するつもりはありませんが、同じ内容の台詞でも、語順、語尾等を変更し、微細な加筆や削除の権限を与えてもらえるだけで、作品を生き生きしたものにできる可能性が大きく広がるのです。
    家族たちのバトルからあぶり出される「愛情」の物語を、ドライに作り上げる所存です。御期待ください。

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STAFFスタッフ

  • トレイシー・レッツ

    脚本家・劇作家・俳優。
    ベストセラー作家の母ビリー・レッツ、俳優の父デニス・レッツの子としてオクラホマに産まれる。高校を卒業後ダラスに移住し、ウェイターやコールセンターで生計を立てながら俳優としてのキャリアをスタート。20歳の頃にシカゴに移住し、ステッペンウルフシアターカンパニーに参加。2002年にアンサンブルメンバーとなる。
    主演作『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』では2013年トニー賞主演男優賞を受賞している。
    『8月の家族たち』は、自身の生まれ故郷であるオクラホマを舞台にし、幼き頃の実体験を元に描いた意欲作であり、わずか2年で648回の公演を行った超人気作。
    多くの受賞歴を誇る本作は父デニスのブロードウェイデビュー作品となり、かつ遺作となった。

  • ケラリーノ・サンドロヴィッチ

    ナイロン100℃主宰/劇作家 演出家 映画監督 音楽家
    1982年、ニューウェイブバンド・有頂天を結成。
    また自主レーベルであるナゴムレコードを立ち上げ、数多くのバンドのアルバムをリリースする。
    並行して1985年に劇団健康を旗揚げ、演劇活動を開始する。1992年解散、1993年にナイロン100℃を始動。1999年『フローズン・ビーチ』で第43回岸田國士戯曲賞を受賞、現在は同賞の選考委員を務める。2015年、第40回菊田一夫演劇賞を受賞。
    2016年、『グッドバイ』にて第23回読売演劇大賞最優秀作品賞、優秀演出家賞に決定。舞台活動では劇団公演に加え、KERA・MAP、オリガト・プラスティコなどのユニットも主宰するほか、外部プロデュース公演への参加も多数。
    2012年にはシアターコクーンに書き下ろした『祈りと怪物』を、自身による演出と蜷川幸雄氏による演出にて連続上演。
    また『かもめ』を皮切りに、チェーホフ四大戯曲全四作品の演出に取り組んでいる。

CASTキャスト

  • 麻実れい REI ASAMI

    「宝塚歌劇団」雪組男役トップスターとして活躍し、85年退団。以降、多くの話題作に出演。リサイタル等でも活躍。主な出演作:舞台『オイディプス王』『二十世紀』『サラ』『トップ・ガールズ』『サド侯爵夫人』『みんな我が子』『夏の夜の夢』『おそるべき親たち』『炎 アンサンディ』など。芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章、読売演劇大賞最優秀女優賞、朝日舞台芸術賞、紀伊國屋舞台演劇賞個人賞など受賞多数。

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  • 秋山菜津子 NATSUKO AKIYAMA

    古典から翻訳劇、同時代の気鋭の演劇人による舞台、映像作品と幅広く活躍。主な出演作:舞台『まほろば』『藪原検校』『きらめく星座』『エッグ』『マクベス』『ドレッサー』『鉈切り丸』『もっと泣いてよフラッパー』『東海道四谷怪談』『大逆走』など。第36回紀伊國屋演劇賞個人賞、第9回読売演劇大賞優秀女優賞、杉村春子賞、第14回読売演劇大賞優秀女優賞、第22回読売演劇大賞最優秀女優賞受賞。

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  • 常盤貴子 TAKAKO TOKIWA

    91年にデビュー。数多くの連続TVドラマ、映画に主演。主な出演作:TVドラマ『愛していると言ってくれ』『ビューティフルライフ』大河ドラマ『天地人』『TAROの塔』連続テレビ小説『まれ』、映画『赤い月』『20世紀少年』『CUT』『野のなななのか』、舞台『レミング~世界の涯まで連れてって~』『マクベス』など。

  • 音月桂 KEI OTOZUKI

    98年「宝塚歌劇団」に第84期生として入団。2010年に雪組トップスターに就任。歌、ダンス、芝居と3拍子揃った実力派と称される。12年『JIN-仁/GOLD SPARK!』で惜しまれながら退団。退団後の主な出演作:連続ドラマ『GTO』『MOZU』、映画『劇場版MOZU』、ミュージカル『ブラック メリーポピンズ』(主演)、舞台『十二夜』(主演)。最新作として連続ドラマW『メガバンク最終決戦』など。

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  • 橋本さとし SATOSHI HASHIMOTO

    89年「劇団☆新感線」にてデビュー。退団後も舞台を中心に、映画、TVの他、『プロフェッショナル 仕事の流儀』ナレーションなど幅広く活動。主な出演作:舞台『ミスサイゴン』『レ・ミゼラブル』『アダムス・ファミリー』『シャーロック ホームズ』、TV『下町ロケット』『螻蛄(疫病神シリーズ)』、CM『大和証券 ダイワファンドラップ』など。映画『暗殺教室-卒業編-』今春公開予定。第22回読売演劇大賞優秀男優賞受賞。

  • 犬山イヌコ INUKO INUYAMA

    85年「劇団健康」旗揚げに参加。以降「ナイロン100℃」メンバーとして多くのKERA作品に出演。TV番組のナレーションやアニメ『ポケットモンスター』ニャース役など声優としても活躍。主な近年の出演作: 舞台『消失』『夕空はれて』『社長吸血記』、映画(声)『天才バカヴォン』『ラブ&ピース』、TV 『怪奇恋愛作戦』『小林賢太郎テレビ』など。KERAとのトークライブ「INU-KERA」を隔月で開催中。

  • 羽鳥名美子 NAMIKO HATORI

    2000年より文学座研究生として演劇を学ぶ。02年より毛皮族に参加。「小さな恋のエロジー」「社会派すけべい」等、毛皮族のほぼ全ての作品に出演。主な出演作: 映画『ラブクラフト・ガール』『USB』『クワイエットルームにようこそ』、TV『警部補・佐々木丈太郎6』、舞台 『十二夜』(演出:鵜山仁)、『ふくすけ』(シアターコクーン・オンレパートリー+大人計画)、 『来来来来来』(劇団、本谷有希子)など。

  • 中村靖日 YASUHI NAKAMURA

    武蔵野美術大学在学中より自主映画制作に関わり、映画『運命じゃない人』の主演で注目を集める。主な出演作:映画『恋は五・七・五!』『ハッピーフライト』『旭山動物園物語~ペンギンが空を飛ぶ』『カイジ』『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』『夢売るふたり』、TV『サラリーマンNEO』『ゴーイングマイホーム』『ATARU』『悪党たちは千里を走る』、舞台『犬目線/握りしめて』『世田谷カフカ』など。

  • 藤田秀世 HIDEYO FUJITA

    10代から『3年B組金八先生パート2』レギュラーなどTVを中心に活躍。86年「劇団健康」に参加。その後「ナイロン100℃」を退団するも03年にメンバーとして正式復帰。主な出演作:舞台『百年の秘密』『デカメロン21』『パン屋文六の思案~続・岸田國士一幕劇コレクション~』、TV『SPEC』『たぶらかし』、映画『劇場版 SPEC~天』『体脂肪計 タニタの社員食堂』『天空の蜂』『ボクは坊さん。』など。

  • 小野花梨 KARIN ONO

    06年ドラマ『嫌われ松子の一生』でデビュー。主な出演作:映画『残穢-住んではいけない部屋-』『ガールズ・ステップ』『繕い裁つ人』『鈴木先生』『南極料理人』、Huluオリジナル連続ドラマ『フジコ』、TV 『武道館』『イタズラなkiss2~Love in TOKYO』『島の先生』『CHANGE』など映像での出演作多数。本作が初舞台となる。

  • 村井國夫 KUNIO MURAI

    俳優座養成所出身第15期生。TV・映画では多彩に活躍。特に舞台においては、ストレートプレイからミュージカルまでジャンルは広い。主な出演作:『砦』『ダブリンの鐘つきカビ人間』『ZIPANG PUNK~五右衛門ロック3』、TV『きんぴか』『花咲舞が黙ってない』『ワイルド・ヒーローズ』『信長協奏曲』など。第32回菊田一夫演劇賞、第47回文化庁芸術祭賞、第19回読売演劇大賞優秀男優賞受賞。

  • 木場勝己 KATSUMI KIBA

    「櫻社」「斜光社」「秘法零番館」を経て「T・P・T」旗揚げに参加。『海辺のカフカ(2015年版)』海外ツアーでは各国で高い評価を得た。主な出演作:舞台『盲導犬』『きらめく星座』『ヘンリー四世』『最後の精神分析~フロイトvsルイス~』、映画『駆込み女と駆出し男』『日本のいちばん長い日』『家族はつらいよ』『モヒカン故郷に帰る』、TV『天皇の料理番』ほか。読売演劇大賞最優秀男優賞、文化庁芸術祭優秀賞、紀伊國屋演劇賞個人賞受賞。

  • 生瀬勝久 KATSUHISA NAMASE

    大学時代に劇団に所属、座長を務める。以降、数々の舞台、映像に出演。主な出演作:舞台『ブロッケンの妖怪』『七人ぐらいの兵士』(作・出演)『皆既食』『万獣こわい』『鉈切り丸』『祈りと怪物〜ウィルヴィルの三姉妹』KERA ver.、映画『エイプリルフールズ』『白ゆき姫殺人事件』『ケルベロスの肖像』、TV『臨床犯罪学者 火村英生の推理』『花咲舞が黙ってない』『学校のカイダン』『医師たちの恋愛事情』など。

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