Bunkamura25周年記念
渋谷・コクーン歌舞伎 第十四弾
三人吉三
作:河竹黙阿弥
演出・美術:串田和美
かつてないコクーン歌舞伎が幕を開ける!
2014年6月6日(金)~6月28日(土)
Bunkamuraシアターコクーン

節分の夜、同じ吉三の名を持つ三人の盗賊が出会い、義兄弟の血盃を交す――。
僧侶崩れの和尚吉三、振袖姿のお嬢吉三、浪人のお坊吉三。いま、運命が動き出す。
数奇な運命に導かれ翻弄されながらも、がむしゃらに命を賭して生きる三人。
名刀「庚申丸」と「百両の金」が様々な人々の手を巡りもたらす悲劇の連鎖……。
流麗な七五調のセリフと刹那的な美しさが溢れ出し、幕末の混沌として退廃的な世相を汲み取った黙阿弥の美の世界が弾け出す。若いエネルギーが躍動し、ジャンルを超えた個性豊かな俳優たちが集結する熱い舞台をお見逃しなく!

中村勘九郎
和尚吉三
昭和56年10月31日生まれ。十八世中村勘三郎の長男。61年1月歌舞伎座『盛綱陣屋』で初お目見得。62年1月歌舞伎座『門出二人桃太郎』の兄の桃太郎で二代目中村勘太郎を名のり初舞台。平成24年2月新橋演舞場『春興鏡獅子』の小姓弥生後に獅子の精ほかで六代目中村勘九郎を襲名。コクーン歌舞伎には、第三弾『盟三五大切』で初参加。前回『天日坊』ではコクーン歌舞伎初主演で、第20回読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞。
中村七之助
お嬢吉三
昭和58年5月18日生まれ。十八世中村勘三郎の次男。61年9月歌舞伎座『檻』で初お目見得。62年1月歌舞伎座『門出二人桃太郎』の弟の桃太郎で二代目中村七之助を名のり初舞台。コクーン歌舞伎には、第四弾『三人吉三』の十三郎で初参加。平成21年のBunkamura20周年企画では、現代版との二ヶ月連動による『桜姫』で歌舞伎版の桜姫を勤める。前回『天日坊』では盗賊の人丸お六を演じ、第20回読売演劇大賞杉村春子賞を受賞。
尾上松也
お坊吉三
昭和60年1月30日生まれ。六世尾上松助の長男。平成2年5月歌舞伎座『伽羅先代萩』の鶴千代で二代目尾上松也を名のり初舞台。子役として活躍後、現在では立役、女方ともに勤める。自主公演「挑む」を主催するなど活躍の場を広げ、24年の『ボクの四谷怪談』(蜷川幸雄演出)でシアターコクーンに初出演。25年には『ロミオ&ジュリエット』でミュージカルにも挑戦し新たな一面を魅せる。コクーン歌舞伎には、今回が初出演となる。

これまで2回の『三人吉三』は原作により忠実に、黙阿弥の言葉を掘り起こす作業をして、とても刺激になりました。稽古は凄まじいものですけど、充実感を感じます。『三人吉三』では、父、橋之助の叔父、福助の叔父たちのエネルギーのぶつかりあいを目のあたりにして、アウトローたちの哀しさ、底辺で必死に生きる様を見せつけられたので、そこは僕たちも追い求めたいです。自分たちはここで生きているんだという魂の叫びを持って演じなければと思います。 今、僕たちができることを全部出して、新しい『三人吉三』を作り上げたいですね。吉三たちと同じように、勘九郎、七之助、松也も、ここで生きているんだという叫びを、渋谷の街から発したいと思います。