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唐版 滝の白糸
日程:2013/10/8(火)~10/29(火)

シアターコクーン・オンレパートリー2013 盲導犬 ―澁澤龍彦「犬狼都市」より―

作:唐十郎 演出:蜷川幸雄

2013年7月6日(土)~28日(日) Bunkamuraシアターコクーン

物語

何故 そんなに飢えるのか 俺のファキイル 何故 そんなに影をにくむのか 俺の犬

新宿―。 コインロッカーの前で、盲人の影破里夫(エイ ハリオ)は〝不服従〟の伝説の盲導犬・ファキイルを呼んでいる。婦人警官に補導されかかっていたフーテン少年に出会い、自分の代わりにファキイルを探してくれるように依頼する。衝突しながらも次第に、奇妙な絆を結ぶかの二人。
そこへ、あかずのロッカーを開けようとする女、奥尻銀杏(オクシリ イチョウ)が現れる。鍵を持つ夫は南国で現地の女・トハに殺害された。ロッカーの中には、銀杏の初恋の人・タダハルの手紙が入っているのだ。銀杏は昔の夢が忘れられず、毎夕、ラジオに思い出の曲をリクエストしている。流れる<カナダの夕陽>。
盲導犬学校の教師になるべく研修中のタダハルが現れ、再会を果たす二人。そして、盲導犬学校の先生はいつしか、銀杏の亡夫/男として現れ、銀杏に犬の胴輪をはめて彼女を盲導犬にしてしまう。男と破里夫、二人に胴輪をつかまれてもだえる銀杏。
犬の毛が飛び散るなか、突如現れた自警団たちにリンチを受ける破里夫の爪でロッカーの鍵があく。
南国の海が広がる。ロッカーの中から、探し求められていた黒い犬が飛び出し、銀杏の喉笛を噛み切って走り去る。鮮血にまみれた銀杏は何度も犬の名を叫ぶ。「ファキイル!」