原作:河竹黙阿弥 「五十三次天日坊」 演出・美術:串田和美 脚本:宮藤官九郎
2012年6月15日(日)~7月7日(土) Bunkamuraシアターコクーン
94年に始まったコクーン歌舞伎も、今やすっかり渋谷の街に定着した。『東海道四谷怪談』で始まって、第二回の『夏祭浪花鑑』からは、串田和美が演出を手掛けるようになり、古典の読み直し、現代的な要素の取り込みで、コクーン歌舞伎ならではの魅力を生んでいる。13回目となる今年は、さらなる変化と進化を遂げることになりそうだ。そのカギは二人のカンクロウ。
まずは、今年の2月に六代目中村勘九郎を襲名したばかりの新・勘九郎が主演を勤める。もうひとりのカンクロウは、舞台に留まらず、テレビドラマなどでも活躍する人気作家の宮藤官九郎。『大江戸りびんぐでっど』以来の歌舞伎台本を手掛けることになる。そして、選ばれた演目が非常に珍しい。河竹黙阿弥作『吾嬬下五十三驛(五十三次天日坊)』を、宮藤が脚色して『天日坊』のタイトルで上演する。『五十三次天日坊』は、嘉永7 年(1854年)に初演、その後、慶応3年(1867年)の上演を最後に全く上演されていない、黙阿弥の隠れた名作だ。今回、なん145年ぶりの上演となる。とは言え、宮藤が脚色するのだから、何が出てくるか分からない。脱力系の笑いも入ってくるだろうし、登場人物のキャラクターもデフォルメされるかもしれない。原作の世界観を壊さずに、新たな風を送り込んでくれるに違いない。
主人公は、親の顔も知らない孤児として育った法策。修験者・観音院の弟子として暮らしていたが、ふとしたことから出世の糸口をみつけ、そのために運命が狂っていく。頼朝のご落胤、天日坊になりすますことにした法策は、やがて本当の自分を知ることになる。化け猫退治や、盗賊の活躍などエンターテイメント色もたっぷり。演出の串田和美は宮藤とは今回が初顔合わせとなる。法策が殺人を決意する瞬間を「その刹那、法策の身体の中に未知なる戦慄が走る。それは全くの異物が別世界から唐突に突き刺さってきたような感覚」とイメージを膨らませている。
昭和41年文学座退団後、劇団自由劇場(のちにオンシアター自由劇場と改名)を結成。以降、演出家・舞台美術家・俳優として数多くの人気作品を生み出している。昭和60年から平成8年まで、Bunkamuraシアターコクーンの芸術監督を務め、劇場レパートリー制の導入やコクーン歌舞伎の立ち上げなど、新たな試みで劇場運営の礎を築く。平成15年からまつもと市民芸術館の館長兼芸術監督。平成17年コクーン歌舞伎 第六弾『桜姫』、『コーカサスの白墨の輪』で芸術選奨文部科学大臣賞。平成18年コクーン歌舞伎 第七弾『東海道四谷怪談 北番』で第14回読売演劇大賞最優秀演出家賞受賞。平成20年紫綬褒章受章。歌舞伎は、コクーン歌舞伎のほかに、平成中村座『法界坊』『夏祭浪花鑑』の演出でニューヨーク、ルーマニアなど世界中で賞賛を浴びている。
平成3年より松尾スズキ主宰「大人計画」に参加。以降、『ウーマンリブ』シリーズでは自ら作・演出を手掛ける。16年、脚本を担当した『鈍獣』で第49回岸田國士戯曲賞受賞。映像作品でも数多くの話題作を手掛け、TV「流星の絆」「11人もいる!」や、第29回向田邦子賞受賞の「うぬぼれ刑事」など。映画では日本アカデミー賞最優秀脚本賞他受賞の「GO」、「舞妓Haaaan!!」「なくもんか」などがある。映画監督として、17年度新藤兼人賞金賞を受賞した「真夜中の弥次さん喜多さん」、「少年メリケンサック」。ほか、構成作家、ミュージシャン、俳優としても幅広く活躍。来春からのNHK朝の連続テレビ小説の脚本を担当することが決まっている。歌舞伎は、平成21年12月の歌舞伎座さよなら公演で新作歌舞伎『大江戸りびんぐでっど』の作・演出を手掛けて以来、2度目。江戸時代に現れた"ぞんび"が人間の代わりに派遣社員として働くという奇抜なアイデアが話題を呼んだ。コクーン歌舞伎の脚本は初めてとなる。
原作:河竹黙阿弥「五十三次天日坊」
脚本:宮藤官九郎
演出・美術:串田和美
法策 後に天日坊=中村勘九郎
人丸お六=中村七之助
猫間光義=市村萬次郎
お三婆/赤星大八=片岡亀蔵
北條時貞=坂東巳之助
傾城高窓太夫=坂東新悟
越前の平蔵=近藤公園
観音院/鳴澤隼人=真那胡敬二
久助=白井晃
地雷太郎=中村獅童
ほか
2012/6/15(金)~7/7(土)
2012年 6月 | 15 (金) | 16 (土) | 17 (日) | 18 (月) | 19 (火) | 20 (水) | 21 (木) | 22 (金) | 23 (土) | 24 (日) | 25 (月) | 26 (火) | 27 (水) | 28 (木) | 29 (金) | 30 (土) | 2012年 7月 | 1 (日) | 2 (月) | 3 (火) | 4 (水) | 5 (木) | 6 (金) | 7 (土) |
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※7/4(水)昼夜公演は、収録のため場内にカメラを設置いたします。
Bunkamura シアターコクーン
[主催]
松竹株式会社/Bunkamura
[製作]
松竹株式会社
1等平場席¥12,500 1等椅子席¥12,500 2等席¥9,000 3等席¥5,000(税込)
2012/04/22(日)
★グループ観劇(15名様以上)のお問合せ:松竹演劇興行部 販売課 03-5550-1685
発売日初日に限り1回の受付で4枚まで
Bunkamuraチケットセンター <10:00~17:30>
03-3477-9912<発売日初日特別電話>
03-3477-9999<4/23(月)以降残席がある場合>
Bunkamuraチケットカウンター<10:00~19:00>
<4/23(月)以降残席がある場合>
※本公演のBunkamuraでの一般発売日<4/22 (日)>は、Bunkamuraチケットセンター特別電話およびオンラインチケットでの受付となります。チケットカウンター(店頭)での販売はございません。
※0570で始まる電話番号は、一部の携帯、PHS全機種、CATV接続電話、IP電話からはご利用できません。
チケットホン松竹
0570-000-489<10:00~18:00>
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03-6745-0333<10:00~18:00>
チケットぴあ
0570-02-9999<音声自動応答予約・Pコード419-329>
ローソンチケット
0570-084-003<音声自動応答予約・Lコード:31446>
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※シアターコクーンにおけるチケットWeb松竹の「切符引取機」は公演期間中【6/15(金)~7/7(土)】のみ設置されます。各公演の開演1時間前より終演時までお引取りになれます。
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