「バラの宮廷画家 ルドゥーテ展」


『バラ図譜』(“Les Roses” 1817-24)
ルドゥーテの最も名高い著作の一つ。収録された169種のバラの図譜は、ナポレオン一世の皇帝妃ジョゼフィーヌが、居城マルメゾン宮殿の庭園に世界各地から集め栽培したバラを描いたものである。初版は1817年から1824年にかけて刊行され、増補改訂を重ねた。ルドゥーテの絵は銅版(スティップル・エングレーヴィング)によって多色刷りされた後、手彩色して仕上げられている。それまでのシンボル、装飾あるいは薬草としての花の描写ではなく、鑑賞用の花の美しさそのものを描き出しており、現在に至るボタニカルアートの原点となっている。

スティップル・エングレーヴィング(stipple engraving 点刻彫版法)
点の集合で陰影を表現する技法で、非常に高度な技術労力を要する銅版画。
淡く、上品なグラデーションを可能とし、画から輪郭線を一掃することができる。



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