マリメッコ展

Point見どころ

フィンランドを代表するデザインハウス、マリメッコは1951年、アルミ・ラティアによってヘルシンキで創業されました。テキスタイルデザインを学んだのち、広告代理店で経験を積んだラティアのもとへ才能あるデザイナー達が集い、優れたデザインと巧みなPR戦略によって、60年代には世界的なブランドへと成長していきます。マリメッコが生み出す布地の柄は、多くがフィンランドの伝統的なモチーフや自然に着想を得つつ、大胆でカラフル、抽象的なデザインでした。そうした柄の映えるシンプルなカッティングの服は、高い人気を呼びます。その後製品は家庭用品やインテリアにまで展開され、マリメッコは今日、日本を含む世界中で絶大な人気を誇っています。
 本展は、ヘルシンキのデザイン・ミュージアムの所蔵作品から、ファブリック約50点、貴重なヴィンテージドレス約60点、デザイナー自筆のスケッチ、各時代の資料など、計200点以上を通して、マリメッコの60年にわたる歴史をたどり、個性あふれるデザイナーの仕事ぶりと活躍を紹介する、国内初の大規模な展覧会です。

マリメッコとは? INTRODUCTION

マリメッコの歴史を語るには欠かせない、大胆な色づかいや柄。 ここでは1950年代~2000年代の象徴的な柄のファブリックを展示し、時代を経てなお新鮮なマリメッコのデザインの魅力をお楽しみいただきます。

  • ファブリック《ウニッコ》(ケシの花)、図案デザイン:マイヤ・イソラ、1964年
    Unikko pattern designed for Marimekko by Maija Isola in 1964

  • ファブリック《カイヴォ》(泉)、図案デザイン:マイヤ・イソラ、1964年
    Kaivo pattern designed for Marimekko by Maija Isola in 1964

マリメッコの歩み 1951-2016 TIMELINE Marimekko 1951-2016

このセクションでは、60年以上におよぶマリメッコの歴史をたどります。 ジャクリーン・ケネディに愛された1960年代、様々な製品開発により市場を拡大した70年代、その後の様々な展開を経て、世界的なブランドへと成長した現在。 創業当時からの貴重なドレス、ファブリック、アクセサリーや食器などに加え、時代を創った著名デザイナーのインタビュー映像を展示します。 マリメッコの歴史上重要な役割を果たした日本人デザイナーや、ジャクリーンが実際に所有していたドレスも紹介します。

  • ジャクリーン・ケネディが購入したドレス《ヘイルヘルマ》、1959年、ファブリック《ナスティ》(小さな無頭釘)、1957年、服飾・図案デザイン:ヴオッコ・ヌルメスニエミ
    Design Museum / Harry Kivilinna

  • ファブリック《シィールトラプータルハ》(市民菜園)、図案デザイン:マイヤ・ロウエカリ、2009年
    Siirtolapuutarha pattern designed for Marimekko by Maija Louekari in 2009

デザインの芸術 THE ART OF DESIGN

マリメッコのデザインはどのように生まれ、製品化されていくのでしょうか。ここでは、デザイナーがデザインを描き起こしてから、ファブリックとして製品化されるまでの過程を、ヘルシンキのマリメッコ本社にあるプリント工場の貴重な映像を交えながら紹介します。また、デザイナーが柄の構想を練る際に描いた自筆のスケッチと、実際に製品化された同じ柄を並べて展示します。 マリメッコの有名な柄が生まれた原点をご覧ください。

  • ドレス、服飾デザイン:ミカ・ピーライネン、2001年 ファブリック《マンシッカヴオレト》(イチゴの山々)、図案デザイン:マイヤ・イソラ、1969年
    Design Museum / Harry Kivilinna

  • ドレス《モンレッポス》、ファブリック《ケイダス》(オアシス)、服飾・図案デザイン:アンニカ・リマラ、1967年
    Design Museum / photo archives D.R. The organizer has made every possible effort in contacting the copyright holders. If the proper authorization has not been granted or the correct credit has not been given, we would ask copyright holders to inform us.

  • 図案《ヨケリ》(ジョーカー)のための水彩画、紙にグワッシュ、アンニカ・リマラ、1967年
    Design Museum / Harry Kivilinna

Designer多彩なデザイナーに注目!

会場では貴重なデザイナーのインタビュー映像や、マリメッコ本社の工場の映像もご紹介します!

  • マイヤ・イソラ

    マリメッコで最も有名な図案デザイナー。1949-87年の間にイソラがデザインしたマリメッコの図案は、約500種。その多くが、今もなお製造され続けている。

    1960年代、アトリエにて図案を描くデザイナーのマイヤ ・イソラ。マイヤは様々な技法で描き、デザインを考えた。
    Design Museum / photo archives D.R. The organizer has made every possible effort in contacting the copyright holders. If the proper authorization has not been granted or the correct credit has not been given, we would ask copyright holders to inform us.

  • ヴオッコ・ヌルメスニエミ

    『私は陶芸家だったので、最初から「かたち」 というものを理解していて、私が手がけるマリメッコの服についてもまずは 「かたち」 を整理しようと思っていました。』
    -本展図録より

  • 石本藤雄

    『僕の場合、じっくりと取り組んで……なんてできないんです。じゃあ僕自身のスタイルは何かと考えたら、「落描き」だと思ったんです。スピーディーなもの。』
    -本展図録より