プロフィール
リバプール出身。ケンブリッジのトリニティ・カレッジにて社会政治学を学ぶ。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉芸術監督、テリー・ハンズに師事。同団体のアソシエイト・アーティストを務める。
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演出家としてのプロデビューは、グラスゴー・シチズンズシアターでのブレヒト作『アルトロ・ウィの抑え得た興隆』。2014年ロンドン・トライシクル劇場で演出したサム・シェパード作『TRUE WEST~本物の西部』は、作者からの評価も高く、2014年にロンドンでも上演された。
これまで50本以上に及ぶ作品を、世界各国にて演出。英国各地、東京のほか、オフブロードウェイ、ウエストエンド、ロサンゼルス、シドニー、ドバイなどでの上演を経験。多方面で活躍し、新作から、古典戯曲、オペラ、コメディ、ミュージカル、ジャズキャバレーなどを手がける。ヴィヴィアン・ウエストウッドとも定期的にコラボレーションをし、2019年ロンドン・ファッション・ウィークにも携わる。
手がけた演出作品は、エディンバラ・コメディ・アワード、フリンジ・ファースト・アワード、スコットランド批評家協会賞、NYタイムアウト賞など様々な演劇賞を受賞もしくはノミネート。
古巣RSCでは、2012年『ウィンザーの陽気な女房たち』で演出家デビューを果たし、『靴屋の休日』『偽善者』『腹を立てた女房』と続けて劇評家達をうならせ、大好評を博した。
日本では、2015年『地獄のオルフェウス』(出演:大竹しのぶ、三浦春馬、水川あさみ、三田和代ほか)にて、念願の演出家デビューを果たし、見事に成功を収めた。シアターコクーンDISCOVER WORLD THEATREシリーズは、2017年『欲望という名の電車』(出演:大竹しのぶ、北村一輝、鈴木杏、藤岡正明ほか)、2019年『罪と罰』(出演:三浦春馬、大島優子、麻実れい ほか)を演出。両作品ともキャストの実力を遺憾なく発揮させ、好評を博す。同シリーズの最多登場を誇る。
ユージン・オニールの作品は『喪服の似合うエレクトラ』(04年上演)以来、二度目の挑戦です。今回も精神を病みそうな作品で(笑)、“頬に手を触れる”とか“肩にかける”といった繊細なト書きの一つ一つに、孤独と愛があふれていると感じます。演出のフィリップがその意味を全部わかるように説明してくれると思うので、とても寂しいお話だけど、すごく幸せな舞台になると思います。フィリップの稽古場は、他の方へのノートを聞くだけでも鳥肌が立つくらい、本当に発見が多くて楽しいです。どんな道を通ってもいつかは到達点に辿り着ける、そう信じて皆で旅をしているような感覚。今回も役者5人とフィリップで、濃密な旅に出かけることになるだろうと楽しみにしています。
家族のスリリングな会話劇から、今、その場で起こっている現実、愛や人生を目の当たりにしていただきたい。何か大きなものをズシッと受け止めた…、そんな感触を与えられる舞台を目指したいと思います。