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2025.03.21 UP

展覧会

【展覧会情報】
戸栗美術館『西洋帰りのIMARI展―柿右衛門・金襴手・染付―』

1987年渋谷区松濤に開館し、東洋陶磁器を中心とする美術品の永久的な保存および公開を通じた、後世への文化遺産の伝承を目的として活動する戸栗美術館。
4月12日(土)より開催される本展覧会のチケットをMY Bunkamuraで販売します。

■西洋帰りのIMARI展―柿右衛門・金襴手・染付―

伊万里焼、2度海を渡る

1700年代初頭まで硬質磁器の製作技術を持たなかったヨーロッパでは、中国や日本の磁器を珍重しました。アジア貿易に積極的であったオランダ東インド会社やその社員たちが1660年代頃から本格的にヨーロッパ向けに扱いはじめたのが、日本製の磁器である伊万里焼でした。ヨーロッパでは実用とするほか、王侯貴族たちの城館を飾る室内調度品としても用いました。現在も伊万里焼が残る場所はヨーロッパに数多くありますが、再び海を渡って日本へ「里帰り」していくものもありました。

今回の展覧会では、かつてドイツのアウグスト強王のコレクションであった「色絵 花鳥文 輪花皿」をはじめ、ヨーロッパから里帰りを果たした作品、器形や装飾などから輸出向けの可能性がある作品を展示し、伊万里焼貿易の様相を探ります。優美な柿右衛門様式や華やかな古伊万里金襴手様式の色絵磁器、東洋風の情緒溢れる染付磁器など、ヨーロッパ好みの約80点をご堪能ください。

 

\展覧会構成と主な出展作品/

◆第1章「伊万里焼貿易と里帰り―近世から近現代まで―」

◇第1節「オランダ東インド会社による貿易」

17世紀初頭に設立されたオランダ東インド会社は、17世紀中期以降ヨーロッパの国々では唯一、日本との直接的な貿易を担いました。同社の略称「VOC」のマークを有した作例や、出島出土品の類品などを展示いたします。


染付 二果文 皿/伊万里 江戸時代(17世紀末~18世紀前半)口径34.9cm 戸栗美術館収蔵

◇第2節「近世の王侯貴族たちによる収集」

ヨーロッパの王侯貴族たちにとって、中国磁器や伊万里焼などの高価な東洋磁器を入手できることは、ステータスの一種でした。ドイツのアウグスト強王のコレクションをはじめ、目録や伝世品によって17~18世紀の収集の様子が垣間見える例を、その類品や「色絵 花鳥文 輪花皿」などからご紹介いたします。


色絵 花鳥文 輪花皿/伊万里(柿右衛門様式)江戸時代(17世紀後半)口径22.0cm 戸栗美術館収蔵

◇第3節「近現代における貿易・収集と里帰り」

19世紀以降、17~18世紀の伊万里焼は“Old-Imari”などの呼び名で輸出・収集の対象となりました。一方で、1970年代頃から日本の高度経済成長を背景に逆輸入、つまり日本に「里帰り」したものもありました。19世紀の輸出向け伊万里焼とともに、古美術品として輸出・収集された17~18世紀の作品およびその類品、里帰り品を展示いたします。


染付 撫子文 皿/伊万里 江戸時代(17世紀後半)口径18.7cm 戸栗美術館収蔵

◆第2章「西洋における受容―意匠の踏返しや加工―」

ヨーロッパでどのような伊万里焼が受容されたかを探る手掛かりとなるものに、ヨーロッパで写されたり、手が加えられたりした一群があります。1700年代初頭のドイツ・マイセンでのヨーロッパ初の硬質磁器の誕生を契機に意匠がヨーロッパ磁器で踏み返されている作例や、金属装飾などの加工痕跡の残る作品およびその種の類品などを展示いたします。


色絵 梅竹粟鶉文 皿/伊万里(柿右衛門様式)江戸時代(17世紀後半)口径15.1cm 戸栗美術館収蔵


色絵 牡丹文 瓶/伊万里 江戸時代(18世紀前半)(左)高56.9cm(右)高58.0cm 戸栗美術館収蔵

◆第3章「西洋文化に合わせたかたちや装飾」

オランダ東インド会社がヨーロッパ向けに伊万里焼を取り扱うようになると、同社はヨーロッパの生活文化に合った伊万里焼を求めました。カップ&ソーサーやティーポット、大型の沈香壺などはとくにヨーロッパで人気の高かった器種です。


色絵 花鳥文 杯・輪花皿/伊万里(柿右衛門様式)江戸時代(17世紀後半)(杯)口径6.5cm(皿)口径10.6cm 戸栗美術館収蔵

 

開催期間:2025年4月12日(土)~6月29日(日)10:00~17:00(入館受付は16:30まで)※金曜・土曜は10:00~20:00(入館受付は19:30まで)
休館日:月曜日・火曜日
※4月29日(火・祝)、5月5日(月・祝)、5月6日(火・休)は開館。
※5月7日(水)は休館。

主催:公益財団法人 戸栗美術館

会場:戸栗美術館
渋谷駅ハチ公口徒歩15分、地下鉄A2出口徒歩12分
京王井の頭線神泉駅北口徒歩10分
〒150-0046東京都渋谷区松濤1-11-3
https://www.toguri-museum.or.jp/
TEL:03-3465-0070

取り扱いチケット:
■当日券      
【販売期間】2025年4月12日(土)~6月29日(日)
【券種】一般 1,200円
    大学・高校生 500円

※中学生以下は入館料無料。
※各種割引および優待サービスとの併用はできません。また、チケットご購入後の受付窓口でのチケットの変更や返金、割引対応はできかねますのでご注意ください。MY Bunkamura取り扱い対象外の券種をご希望の方は、戸栗美術館ホームページをご確認ください。
※学生券をご利用の際は、チケットと共に「学生証」を忘れずにご呈示ください。
※販売状況により、販売期間より前に取扱い終了となる場合がございます。

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