コクーン アクターズ スタジオ

TOPICS

2023.06.19 UP

オクイシュージ先生からのコメント到着!

舞台上で最もごまかしの利かないモノであり、
一方で、物語の大きな推進力となるのが「笑い」。
演じる上で実はとても重要で難しいのも「笑い」。
「笑い」から体得した感覚は全てのジャンルの「間」や「リズム感」、「声のトーン」や「身体の動き」押し引きの「バランス感」そして「正しい“乗り”」へと直結していくはずです。

自分自身、俳優としてのシリアスからコメディまでジャンル問わぬ実戦の中で
試せど試せど上手くいかず〈まんじりともしない稽古場〉を何度も見てきました。
そこには「笑い」と向き合ってきた俳優とそうではない俳優という、目には見えない経験値の差に大きな要因があると考えます。

演出家からの注文の中には具体的ではなく抽象的な場合もあります。
理解できる皮膚感覚とそれにある程度応えられるスキル。
これもこの「笑い」と向き合ってきた経験が助けとなることでしょう。
つまり未完の俳優にとって「笑い」ほどやっといて損はない、ということです。

自分もかつては俳優養成所なるところに行ってました。
しかし「俳優はコントもやるべきだ」
その重要性を講じてくれるところは皆無でした。
なにしろ皆さんが羨ましい。
演劇の第一線で今まさに大活躍中の贅沢すぎる皆さんが年間通じて講師をされるというのだから。自分にもこのアクターズスタジオのような選択肢があれば「こんなに遠回りしなかったんじゃないか?」と遠い目になります。

いま自信のない人、人見知りな人、引っ込み思案な人など、ある意味で一般社会ではネガティブと捉えられがちな人々にこそ個性や魅力を感じたりもします。
松尾スズキ作品をはじめとしたあらゆるジャンルの「演劇のど真ん中」で戦力となりうる、演じることを共に面白がれる次世代の俳優たち。
このコクーンアクターズスタジオがその入り口となることを願っています。