コクーン アクターズ スタジオ

CAS通信

2025.04.21 UP

「コクーン アクターズ スタジオ」第2期生 開講式レポート

2025年4月1日に「コクーン アクターズ スタジオ」第2期生の開講式をシアターコクーン舞台上にて行いました。2期生はオーディションを経て選出された16歳から27歳までの20名。これからの1年間、演技・日本舞踊・ダンス・歌唱など様々なジャンルの基礎と発表を組み合わせた実践的なレッスンを行います。2026年3月にはシアターコクーンにて1年間学んだ集大成として、発表公演『アンサンブルデイズ-彼らにも名前はある-』(作:松尾スズキ、演出:ノゾエ征爾)の上演を予定しています。

常任講師からのコメントは以下。

▼講師コメント
松尾スズキ(主任・演技)

仲間ができることは羨ましいことで、この1年を大切に、支え合っていってほしいと思います。舞台は支え合わないと創れません。ここに集まった20人は、これまでにそれぞれがいろんな経験をしてきてスタートラインは違いますが、同じ場所にいるので、リスペクトを持って支え合ってもらえるとWin-winの関係が築けると思います。頑張りましょう。

 

ノゾエ征爾(演技)

ともかくこの1年間、夢中になってほしいと思います。いろんな授業があり、中には自分に合わないものもあるかと思います。その中でたくさん迷って混乱しながら、時には自分の仲間にも目を向けながら、時には自分も助けてもらいながら、濃い1年間を過ごしてください。第1期生の卒業公演は素晴らしかったけど、いきなりあれができたわけではなく、そんな1年間を過ごした成果だと思います。今年の発表公演は私が演出となりますので、一緒に頑張りましょう。

 

オクイシュージ(演技)

1年はあっという間で時間が足りないと思います。最初の半年は細かくゆったりしてますが、最後の半年は地獄です(笑)。大変なことがどんどん来ますが、楽しんでもらえたらと思います。“笑い”を皆さんと学んでいきたいと思っています。触れたことがない人も、触れるつもりもなかった人もいると思いますが、ここはコクーン アクターズ スタジオです。コクーン アクターズ スタジオを出た人は芝居も上手で“笑い”もできる人です。頑張ってください。

 

杉原邦生(演技)

舞台芸術に限らずクリエイティブ、創作を学ぶ授業というのは一方方向ではなく相互関係で良い授業になっていくと思います。なので、皆さんが本気になってくれれば、こちらもますます本気になります。ぜひ本気で授業に挑んでください。いろんな先生がいて頭がぐちゃぐちゃになると思いますが、それでいいと思います。その中から自分がやりたいことが、こうなりたいんだ!という核みたいなものが見つかっていくと思います。

 

藤間貴雅(日本舞踊・所作)

着物が似合う俳優を育てていこうという意思のもと、この1コマがCASのレッスンに組み込まれました。日本の伝統芸能が文化資源に入ろうとしていて、時代劇が急激に減ってきています。昭和時代のお話も時代劇になってきています。卒業してから時代劇やドラマなどでも活躍できるような俳優になっていってください。

 

振付稼業air:man(ダンス)

我々は振付師のユニットなので、私が教えるときもあれば別の人が教えるときもあります。ダンスのレッスンの前後で藤間先生の和のレッスンや蔵田先生の歌のレッスンがあったりして、それぞれのレッスンで全然違うことを言われると思います。ぐちゃぐちゃになると思いますが、頭も心もスポンジでどんどん吸収していく1年にしていってください。

 

蔵田みどり(発声・歌唱)

大変な日々を乗り越えていくために、1期生には「ほかほか」という言葉を伝えたのですが、2期生には「ほっかほか」という言葉を伝えたいと思います。今年足した「っ」は休符の部分になります。音楽の中に休符があります。ただ休むだけなのか自分の表現力を休符に入れるのかで全然変わります。ただ休むのではなく、質のいい休み方も大切にして乗り越えていってほしいと思います。

 

撮影:宮川舞子