コクーン アクターズ スタジオ

CAS通信

2026.04.21 UP

「コクーン アクターズ スタジオ」第3期生 開講式レポート

東京の街に桜が咲く4月1日、3年目を迎えたCOCOON PRODUCTION「コクーン アクターズ スタジオ」第3期生の開講式が行われた。今年の受講者は18歳から29歳の総勢20名。少々緊張しながらも新たな日々に期待の表情があふれた若者たちは、これから約一年間、そうそうたる演劇人たちを講師にプロを目指したレッスンに励む。開講式では常任講師一人ひとりから言葉が送られた。

▼講師コメント

松尾スズキ(学長/演技基礎)

こちらに並んだ講師&スタッフ陣をご覧いただければ分かるように、大人がめちゃくちゃいるわけです。つまり、生半可なものではありません。お客様気分はなしで、修行のつもりで頑張ってください。慣れないことだらけで、ツラいこともあるかと思います。でも学ぶ環境/雰囲気をみなさんが自ら率先して醸成し、楽しくない時も楽しそうにしてみれば、不思議と楽しくなるはずです。後悔のないようにしっかり勉強し、どうかプロになってください。一年間、どうぞよろしくお願いします。


堀越 涼(演技基礎)

今年から講師を務める堀越涼です。発表公演『アンサンブルデイズ―彼らにも名前はある―』の演出も手がけます。僕は「あやめ十八番」という劇団を主宰しているのですが、メンバーの一人が1期生として「コクーン アクターズ スタジオ」で学び、いかに素晴らしい場所かを聞いていました。みなさんの大切な一年間を預かるわけですから、僕も精いっぱい頑張ります。

 

オクイシュージ(演技基礎)

講師を二年経験して感じるのは、一年はあっという間だということ。ぐずぐずしていると置いて行かれてしまいますから、とにかく夢中になってやることが重要です。そして、講師に演出家が多くいますので、僕はなるべく俳優目線で皆さんにアドバイスできたらと考えています。厳しいことも言いますが、楽しくやりましょう。ぜひ素直に学んでください。

 

ノゾエ征爾(演技基礎)

楽しいことが第一で、そこからいろんなことが生まれます。僕自身、長年演劇を続けていますが、ずっと変わらないのは、演劇がバカみたいに大好きで、好きだから夢中になってやっているということ。講師がこれだけいれば、違うことを言う時もあるでしょう。でもどれも真実。信じること、チームワーク、そして体を大事にしながら、一年頑張りましょう。

 

杉原邦生(演技基礎)

僕自身三年目ですが、新鮮な気持ちで皆さんと向き合って、ディスカッションしながら、いいレッスンができればと考えています。「コクーン アクターズ スタジオ」ではずっと優しく教えてきたのですが、僕自身の心境の変化もあり、かつ今年は発表公演が12月と例年よりも早めなので、少し厳し目に行こうと考えています。ついて来てください!

 

藤間貴雅(日本舞踊・所作)

1期生&2期生とはまた違う眼力やエネルギーを感じる、頼もしい皆さんが集まりました。ぜひこのエネルギーを維持してください。こうした若手俳優の育成で所作指導がカリキュラムに入っていることは、実に珍しいんですね。時代劇が注目を浴びている昨今、和のメソッドでの動きやセリフ術をしっかり学んでください。

 

振付稼業air:man(ダンス)

心を動かし、思考を止めずに、どのレッスンも食らいついてきてください。そうすればさまざまな発見を生み出して、理想とする俳優像、そしてステキな未来が待っていると思います。どのジャンルもできるよう、引き出しも増やして頑張りましょう!

 

蔵田みどり(発声・歌唱)

私は毎年、心がけてほしいことを“あいうえお作文”で伝えており、本年は「いぶりがっこ」でお話しします。
「い=虐めない」自分を必要以上に責めない。
「ぶ=無愛想にならない」挨拶もしたくないほど心身ともに疲れ果てている時は、自分をケアしてあげる。
「り=理性」パッションだけではなく、俯瞰して自分を見る視点も大事にする。
「が=学校だと思わない」一人の俳優として表現者として。成長を心がける。
「っ=休符」音楽では演奏しなくても音楽があり、そこにメロディーが生きています。お休みを質の高いものにしてください。
「こ=交流/交換」仲間と助け合い、会話して、表現者として成長する。

 

この日は開講式後、受講生二人にも話を聞いた。


赤木里音(アカギ リオン)
大学でミュージカルを三年間学び、4回生では自分達で作る授業もしました。人から教わって、吸収して、そこから表現していくキャッチボールの楽しさが忘れられず、そんな時に素晴らしい演出家の方から学べる「コクーン アクターズ スタジオ」の存在を知り、「運命だ!」と思い応募。オーディションもすごく楽しい経験となりました。私はコメディが特別に大好きなんです。「面白い舞台」に立てる俳優なれるよう、頑張ります。

上地広季(ウエチ ヒロキ)
すごい方々を目の前にし、すごく緊張しました。僕は沖縄でずっと活動していたのですが、県外の舞台を観た時の演技力の違い……そこに何があるのか、東京に来ないとわからないと考え応募しました。生まれも育ちも沖縄で、これが初めての上京ですが、しっかり学び、一人の人間として喋り、生きた言葉にして届ける、説得力を持った言葉を発する俳優になりたいと考えております。


なお今年も常任講師に加え、演劇界の第一線で活躍するゲスト講師を迎えた特別ワークショップを開催予定。一年間の総決算である発表公演『アンサンブルデイズ―彼らにも名前はある―』(作:松尾スズキ、演出:堀越涼)は2026年12月にシアターコクーンにて有観客での上演を予定している。

文:川添史子
写真:星野麻美