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2024.09.19 UP
最高のJOYに満ちたステージ/本公演に寄せて(音楽・放送プロデューサー中原 仁)
様々な国々の様々な分野の音楽家との共演を続けてきた小曽根真が、日本で初めてブラジルの音楽家とステージをシェアする。今世紀に頭角を現した、16歳年下の作編曲家/ピアニスト、アンドレ・メマーリ。
小曽根真と同じく10代からプロ活動してきたメマーリの音楽性は、ブラジルのポピュラー&インストゥルメンタル音楽からクラシック、ジャズまで幅広く、ジャンルの壁など最初からなかったような風通しの良さがある。それはブラジル気質の現れでもある。
小曽根真は2014年、サンパウロ交響楽団の定期演奏会に出演した際、長年の小曽根ファンだったというメマーリと初対面した。2017年にも同楽団の公演に出演した時、楽団の演目にメマーリが作曲した交響曲があり、アンコールで1台のピアノを連弾して初共演。2024年4月、メマーリからラヴコールを受けてサンパウロでピアノ・デュオのコンサートを行ない、これが正式な初共演となった。
一緒に来日するチアーゴ・エスピリト・サント(ベース)は驚異的なテクニシャン。エドゥ・ヒベイロ(ドラムス)はジャズ・サンバの第一人者。参加しているバンド、トリオ・コヘンチがパキート・デリベラと共演したアルバムは第56回グラミーで「ベスト・ラテンジャズ・アルバム」を受賞した。以前から、ブラジル人とのトリオでジャズ・サンバを演奏したいと話していた小曽根真の願いがついに実現することとなった。今回、抜擢されたバークリー音楽大学出身の俊英、KAN(パーカッション)にも注目を。
"JOY"。小曽根真が音楽について語る時、よく登場するキーワードだ。アンドレ・メマーリの、そして全ての共演者の音楽にもJOYがみなぎっている。5人の音楽の対話が、聴き手に最高のJOYを分けてくれることだろう。
音楽・放送プロデューサー中原 仁