K-BALLET Opto 「プティ・コレクション」

NOTE制作ノート

2022.11.25 UP

制作ノートVol.1 スポットライトを照らす人

11月下旬深夜、もうすっかり街路樹の葉っぱが、紅から憂うつな褐色へと冬支度を進める頃、私たち制作チームは表参道けやき並木通りへと集まった。

深夜の表参道は、意外かもしれないが働く者たちの熱気で溢れている。清掃、ごみ回収、道路舗装、ショーウィンドウの入れ替えと、みな参道の街路樹の電飾に吸い寄せられる昆虫のように集う。我々も今夜はそのうちの一人である。

今回、アレッシオ演出の『ペットボトル迷宮』では、舞台セットに約10,000本のペットボトルを利用する。巨大なペットボトルの壁がダンサーたちを取り囲むのだ。そして、これらペットボトルは全てリサイクル品を使う。ゴミとして捨てられる定めにあったペットボトルが、バレエという煌びやかな舞台の上に蘇ることを目指す。

そんな企画に賛同してくれたのが、表参道欅会・SmaGO・白井エコセンターの各社である。表参道沿いには35台のリサイクルボックスSmaGOが表参道欅会の協力のもと設置されており、我々は、このSmaGOに捨てられたペットボトルを、産業廃棄物業者である白井エコセンターに回収してもらい、さらには洗浄の後、舞台に運ぶ。

今夜は、白井エコセンター全面協力のもと、まさにこの回収作業に参加しているのだ。

我々は普段ゴミを捨てた後、なにが起きているかを知るよしもなければ、そこに想像をめぐらせることもないかもしれない。しかし、都市は我々と同じように寝ている間も呼吸を続ける。そんな、大都市東京の静脈とも言えるがこのごみ収集なのだ。

夢とロマンを買う表参道のショッピングは、なんとも地味で目に見えない者たちの働きに支えられている。ちょうど、我々の夢を与える舞台が、無数の裏方によって作られているように。 

(高野)

SmaGo https://forcetec.jp/ (外部サイトに遷移します)

白井エコセンター https://www.shirai-g.co.jp/company/group/ecocenter/ (外部サイトに遷移します)