ヤン・リーピンのシャングリラ

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2016.02.25 UP

ヤン・リーピン、緊急来日!!特別インタビュー

公演を約一カ月後に控え、プロモーションのためにヤン・リーピンが緊急来日!
4月の開幕が待ち遠しい「ヤン・リーピンのシャングリラ」に込めた想いを伺いました。

―『シャングリラ』は2003年の中国での初演から数えて13年間上演されています。来日も3度目となりますが、これだけ長い期間、続けてきたことについてどのように感じていらっしゃいますか。

「まず、このカンパニーが非常に意義深いのは、ダンサー達が自分の民族以外に、他の少数民族の歌舞を習得する機会になったということです。『シャングリラ』は様々な少数民族の踊りから構成され、大勢で踊る演目は異なる民族のダンサーも参加します。これまでそのような交流はありませんでした。初期のメンバーは、結婚したり子供ができたりして村に帰った人たちもいますが、彼らには、舞台で覚えた踊りを村の子どもたちに教えて欲しい、とお願いしています。そうやってより多くの人に文化を伝承していくことが何よりの財産になると考えているからです。」

―今春の来日公演では、ツァイチーさんが出演することでも話題です。

「実はツァイチーはこれまでのシャングリラ公演でも子役として出演していました。今回は彼女の出演にあたり、これまでの来日公演では上演したことのない演目を取り入れています。太陽や火を信仰するワ族の舞踊の主役で、長い髪を炎に見立てて踊ります。」


ヤンさんが『シャングリラ』に出演するのはこの来日公演が最後ということで、非常に残念にも思うのですが。

「既に、中国で上演している『シャングリラ』では私は踊っていません。私が踊らなくても作品として後世に残すことができればそれで良いのです。中国の芸術文化のためには、ダンサーが私ひとりいるだけではだめなのです。たくさんの新しい人が育たなければ。そのためには、若い人にどんどん活躍の場を与えなければなりません。
私自身は、これからは創作活動により多くの時間を費やしたいと考えています。」

―時代とともに失われつつあった伝統の歌舞。それら素晴らしい少数民族の文化を舞台作品として世に遺そうとしたヤン氏の想いは、10年以上の時を経てなお一層、力強く結実している。
日本の観客の熱意に応えるかたちで実現した「ヤン・リーピン最後のシャングリラ」を、この目に焼き付けずにはいられない。