「舞劇 楊貴妃」は、中国の隆盛期・唐を背景にしたオリジナル・ストーリーです。
歴代王朝の中でも最も繁栄を誇った唐の都・長安はシルクロードの発着点として賑わい、その優れた文化に憧れた各国の人々が集った、まさに世界都市でした。「舞劇 楊貴妃」ではそうした国際色豊かで自由な文化に彩られた時代を舞台に、皇帝の愛妃として栄華をきわめた絶世の美女・楊貴妃と、日中両国の血を引くオリジナルの登場人物・謝阿美、ふたりの美女の友愛と悲劇の物語をダイナミックなダンスで描きます。
きらびやかな王宮の風俗、そして栄光の裏でうごめく男たちの権力争いや陰謀・・・。見どころの多いストーリーのあらすじを、衣裳プランナーの前田文子のデザイン画とともにご紹介いたします。
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大唐帝国の都・長安。 |
![]() 群 舞 |
![]() 群 舞 |
宮殿内には各派閥の陰謀の企てや、反乱の前兆を感じさせる殺気を含んだ雰囲気が漂う。そんな中、玄宗皇帝は趣向を凝らした華やかな舞を玉座で楽しんでいる。貴妃と阿美が舞う姿はそっくりで、玄宗皇帝さえも見分けがつかないほどである。美しい二人に玄宗も加わり踊る。無力さに狂おしく舞う李白や仲麻呂。とうとう宮廷内の寝室にまで反乱軍の影がしのびよる。皇帝一行は反乱軍に追われ、長安から逃避行をはじめるが、道中、兵士たちの謀反が起きる。楊貴妃を殺せと迫る兵士たちに、最愛の楊貴妃の命と、一国の命運との間で窮地に陥る玄宗皇帝。そこに、貴妃の身代わりに命を捨てる決意をした阿美が現れる。引き止める貴妃。あまりにも似た二人の姿は交錯し、そして・・・。 |
衣裳デザイン画:前田文子