今年2006年から2008年までの三年間連続で企画されているセルフプロデュースのクリスマス・スペシャルコンサート。“自由さ”“豊かさ”をキーワードに、コンサートを企画していきたいと小曽根はその意気込みを語る。
「いまはワンクリックで、色んな曲が手に入る時代。便利になったけど、それで感動が生まれるのかな?という疑問がある。例えばオーチャードホールでいいコンサートに出会ったら、帰りの渋谷の街は全く違った風景に見えるはず。僕はそんな感覚をお客さんに味わって欲しいと願っています」

 今回は「REVENGE of MOZART」と題して生誕250年のモーツァルトを取り上げる。すでに何度かモーツァルト作品を演奏している小曽根だが、今回の聴きどころは?

 「今回、オーケストラのパートはそんなに手をいれない予定ですが、ピアノパートは自分の解釈をたくさん取り入れて演奏したいと思っています。今までの僕のモーツァルトは、お客さんが想像するよりもクラシックよりだったと思います。でも、それがあったからこそできるチャレンジ。パキートのキューバ音楽が入ったクラリネットもたまんないし、オケも東フィルや新日フィルの首席クラスが集まってくれるので僕も楽しみ。考えただけでワクワクするよね」
 インタビュー中にも「こんなの楽しいかも?」「あんなのはどう?」とコンサートに関するアイディアが次々と飛び出し、いたずらっ子のような表情をみせる小曽根。「クラシックやジャズは敷居が高いと思っている人にこそ見てほしい」のだという。

 「だって僕のとんでもないアドリブに、オケのメンバーは後ろで吹き出したりしてますからね(笑)。ステージ上の人々が音楽を通して一緒になる素晴らしさを感じて、お客さんにもそこに加わって欲しい! 泣きあり、笑いありのアットホームなコンサートになると思います」

text:山下由美 photo:T.Matsukawa



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