アメリカ・ニューヨークにあるメトロポリタン美術館(The Metropolitan
Museum of Art, New York)は、質・量ともに世界屈指のコレクションを持つ美術館です。所蔵品は200万点以上に及び、その範囲も古代エジプトから現代まで、地域的にもヨーロッパ、北米だけでなく、アジア、オセアニア、南米、アフリカまでを網羅しています。世界中のあらゆる場所、あらゆる時代の芸術品を収めていることから、「メトロポリタン美術館の中に複数の美術館がある」とも評され、まさに"芸術の百科事典"といえます。
年間500万人以上もの人が訪れるメトロポリタン美術館の中でも、特に人気の高いギャラリーが近代美術部門です。同美術館は、世界の主要美術館の中でマティスの作品を初めて収蔵したことでも知られ、20世紀初頭から第二次世界大戦までのパリで活躍した芸術家のコレクションは、非常に充実しています。
本展は、"Painters
in Paris: 1895-1950"(パリの画家たち: 1895年―1950年)と題してメトロポリタン美術館で2000年3月から2001年1月にかけて開かれた展覧会をもとに、特別に再構成されたものです。同館近代美術部門の珠玉のコレクションから、20世紀前半に活躍した画家の作品72点を選りすぐって紹介します。ピカソ、マティスの両巨匠の名作をはじめ、モディリアーニ、ボナール、バルテュスら日本で人気の高い画家の作品を、制作年代をもとに、次の7セクションに分けて展示します。
I The Century's Turn(19世紀から20世紀へ) |
II The Fauve Painters(フォーヴの画家たち) |
III The Cubist Painters(キュビスムの画家たち) |
IV Tradition and Change
(伝統と変革) |
V The 1920s (1920年代) |
VI The 1930s (1930年代) |
VII Epilogue (エピローグ) |
日本では、「ルーヴル美術館展」「プラド美術館展」など一流美術館のコレクション展が多く開催されてきましたが、メトロポリタン美術館の名品を一堂に展示するのは、1989年に横浜美術館で開かれた「メトロポリタン美術館名品展―フランス美術500年―」以来13年ぶりで、その近代美術部門に焦点をあてた展覧会は日本で初めてです。
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