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Bunkamura20周年記念特別企画
勅使川原三郎
ダブル・サイレンス―沈黙の分身
2009年3月21日(土)〜29日(日) 全6回
Bunkamuraシアターコクーン

沈黙は身体によって作られる いつ私は最も強烈に沈黙するか

限りある引き伸ばされた瞬間
無音は宇宙から切り取られた空間
沈黙は身体的想像が作る状態
沈黙と無音を合わせ鏡のように
向き合わせると無限につづく仮像が振動する

生きている私は、完全な無音室内で
黙っていても無音を体験できない
心臓の鼓動はリズムを打ち鳴らし
血管に流れる旋律は頭骨をめぐり
呼吸は様々な強度の風を吹かせる
調整された無音は体内の絶対ノイズ
によってかき消される
この乱れた音響身体が作ろうとする沈黙の中 
多重に生息する他者が私の内側にうごめく
重なり合って揺れる体内の他者は
我という領域を侵犯し、身体を困惑させる
そして私と他者は私を生きる

            ―勅使川原三郎

今回のテーマは“沈黙”

6年前のシアターコクーンでの新作「Luminous」は“光”をテーマにした作品。光る素材で作られた衣裳や、ロンドンでの教育プロジェクトに参加していた全盲のダンサーなど、“光”や“見る”ということを探求した結果の作品となった。
今回のテーマは“沈黙”。完全な無音室内で黙っていたとしても、心臓の鼓動や呼吸音など、体内から聞こえてくる音が必ずあるという状況で、人は“沈黙”を経験することができるのか。また、経験できるとするならばそれは強烈な経験と なり得るのではないか。勅使川原の純粋なる探究心が探し出す“沈黙”の結果とは。

Luminous
©DominikMentzos

新たな次元へ挑戦する意欲作

勅使川原自身が「新たな次元へ挑戦する作品」と言い切る本作。まだまだ途中段階ではあるが、「劇場空間から、これまでに経験したことがないようなものを創作する」と意気込むだけに、劇場にどのような“沈黙”が出現するのか。斬新な作品が期待できる。

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